「コロナ禍で社会情勢が変化し、『今の会社も安泰ではない』と意識した人が、もともと憧れていた文章に関わる仕事としてライターを目指している印象です」

 加えて、かつてよりも「ライター」という仕事が身近さを増している背景もある。

「昔はライターといえば、雑誌や書籍などの紙媒体が中心で、狭き門の業界というイメージが強かったんです。ただ、今は企業のオウンドメディアや個人レベルでの発信など、ライターの活躍の場は広がり、社会的ニーズも高まっている。それに、20~30代のSNSを使いこなしている人にとっては、文章で何かを表現することに抵抗がない人も多く、そのスキルをライターの仕事で生かせないかと考える人も増えています」

 受講者の中には、紙媒体での仕事を目指していて、その足がかりとしてまずはウェブライターに挑戦する人も多いという。また、SNS以外でも、「小説が好き」「日記を毎日欠かさずつけている」など、日々文章に携わり、それを仕事にしたいという憧れを持つ人も少なくないようだ。

ライターの仕事で得られる
大きなメリット

 では具体的に、ライターの仕事でメリットに感じられるものとは何なのか。

「一般的な企業勤めの場合と比べて、ライターはチームを組んで取材や執筆をする機会は少なく、自分の裁量やペースで働ける点は大きいです。また副業としてライターを目指すケースでは、終業後や休日を使ってウェブ記事を書いてみたいという人も多いです。自分の能力や使える時間を見定めながらできるので、チャレンジしやすい職業ではありますね」

 そして、何よりライターのやりがいとして感じられるのは、自分の書いた記事に寄せられる読者の反響だという。

「自分なりに取材して発信した記事に対して、賛否両論あるにせよ、読者からの反応があることがモチベーションになる人は多いですね。それに、仕事の発注先や編集者からのオーダーに応えて、かつ面白い記事に仕立て上げたときは達成感も味わえます。よくも悪くも関わる人の範囲は広がるので、苦労がないわけではありませんが、やりがいも大きい仕事です」

 自分の頭で考えて動いたことが、発注者や編集者、読者の胸に響いた実感を求めてライターを目指す人もいるようだ。