新年度になって約2ヵ月が経ち「仕事に慣れない」「周りの人と打ち解けられない」など新たな悩みも出る頃だろう。そうした仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決するのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。
発売後1週間足らずで重版が決まり、早くも10万部を突破した本書には、SNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。本連載では本書から内容の一部をお届けする。
ミスをしても大丈夫!
だれだってミスをする。だからうっかりミスをしたときは、素直に、誠意を尽くして、ただ謝る。これに勝る「謝罪法」はない。謝るときは間違っても保身の言い訳を口走ってはいけない。謝りたくないからと代わりの人を出してもいけない。もちろん、気まずいからと謝らないでフェードアウトするのはもってのほか。ときどき「絶対に謝らない病」にかかっている人を見かけるけれど、そういう人を見ると、単純にもったいないなと思ってしまう。
策に溺れてはいけない
ミスをしたとき「謝れない」ことで失うものは大きい。正しく謝れば損することなど一つもないのに。謝れないわけではないけれど、策におぼれてかえって下手を打つ人もいる。よく目にするのが、社外の人に謝罪するとき。「本当にすみません。僕は○○さんのおっしゃる通りだと思うのですが、うちの会社は頭が固くて……」。自分の会社を共通敵に仕立てて、先方の味方であることをアピールするのだ。こういうことをする人は、自分が悪者になりたくないだけで、これは誠意ある対応とはまったく言えない。相手に言わせれば「お前もその会社の人間じゃん」だ。こういうときこそ、その状況を食い止められなかった責任を全部背負って、会社を代表して謝る姿勢を相手に見せたい。
人は会社に応援されている人と組みたいもの
テレビ局でも、会社の都合で番組が終わってしまうとき、不満を持つ演者や関係者に同調する担当者がときどきいる。でもそれがひとたび会社の耳に入ったら、会社に嫌われ、次のチャンスをもらえなくなる。同じ能力のライバルがいたら、そちらが指名されることになるだろう。これは自分にとっても、自分とつながっている演者にとっても明確なデメリット。いちばんやってはいけないパターンだ。
次のチャンスが与えられれば、もう一度その演者と組むことができるわけだし、人は会社とうまくやる人、応援されている人と組みたいと思うもの。どこかでハシゴを外されたり、冷遇されたりする可能性がある人とは組みたくない。
すべてはトータルで考える
だから僕は、ほんとうは会社の決定にちょっぴり不満があるときも、「テレビ東京の佐久間」として誠意を持って謝ってきた。会社の悪口は言わない、ケンカもしない。いっときの感情に流されず、どうすれば仕事がやりやすくなるか、チャンスを掴めるかをトータルで考えるということだ。
(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)