プレイステーションの父と呼ばれる久夛良木健氏は、世界のギークからビジョナリー(未来を予見できる人)と呼ばれ続けている。そんな久夛良木氏が、大学1年生たちにイノベーションの最先端を語る授業の2回目。デジタルツインとメタバースって何だ? 近畿大学久夛良木ゼミの“実況中継”をお届けする。
GAFAは何でもできそう
でも実は「弱点」がある
皆さん、この間のグーグルのI/O(5月開催の年次の開発者イベント)はチェックしましたか? 面白い発表がいくつかありましたね。
まず、グーグルマップのイマーシブ・ビューです。まるで現地にいるかのような没入感のある光景を、ストリートビューや航空写真の数十億枚にも上る画像をAI(人工知能)で合成して表示するという機能です。東京でも今年後半に利用できるようになるそうなので、楽しみですね。
それからAR(拡張現実)についても、いくつか発表がありました。例えばスーパーの店頭の商品にスマートフォンをかざすと、カロリーだとか商品レビューだとかの情報がARで表示される。「これは何かな?」と思った時に、いちいちブラウザを開いてググる必要がなくなりそうです。
ちょっと聞いただけでもワクワクするこれらの発表の、本質的な価値はどこにあるのか。今日はこの辺りについて考えていきます。
グーグルと聞くと、みんな「すごい会社だな」と思いますよね。グーグルだけじゃなくて、GAFAはどれもすごくて、何でもできちゃうんじゃないかと思ってしまいます。
でも実は、GAFAにも意外に苦手な領域はあるのです。それは何でしょうか?