課題解決に必要な「自分の言葉」
海外で活躍できる選手の違いとは

「自分で考えて、それを自分の言葉にして相手に伝える」。実はこれができるだけで、随分と課題解決はスムーズになります。ですが、今の日本の教育現場を見てみると、そういった表現をする場が限られているように感じます。家庭の中でも少ないのかもしれません。

 子どもたちは「まだ見たことがない世界を見てみたい」と、本来は能動的に動き出すもの。ですが、「あれはダメ」「これはダメ」と頭ごなしで制限することで、自分で考えることを停止してしまうのです。

 海外に主戦場を移した選手の中でも、活躍できる選手とそうでない選手に別れます。その要因の1つには、「自分で考えて、それを自分の言葉にして相手に伝える」ができるかどうかがあります。日本では、なかなかこういった機会が得られにくいですから、大人になって急に「自分の言葉で!」と言われても難しい。だからこそ、選手は幼い頃から、安心して自分で考えたことを自分の言葉で伝えることができる状況で、スポーツに携わってほしいのです。

 私のコーチングでは、“心地よい関係性”を築くこと、そして、自然とやる気やアイデアが湧き出てくるということを大切にしています。ただそんな中で、本人が自分の可能性に対して諦めてしまっている状態を目にすることも。そういった選手に対して、時にはこちらの気持ちを伝えることもあります。「君はそんなものじゃないだろう!」と、こちらから勇気づけることもあります。