大手から中小へ、中小から大手へ
それぞれ異なる同業転職の注意点
転職をする際には、同じ業界に転職するのか?他の業界に転職するのか?という2つの選択があります。年齢が上がると、自分の業界に対する愛着も湧きますが、その一方で、どうしても他の世界を見てみたい、もっと他に良い道があるのではないか?と考える方も数多くいらっしゃいます。
同業への転職の際に比較的多いのが、業界大手から中堅や業界下位の会社への転職です。このときに気をつけたいことがあります。それは、今までの自分の実績が、今の会社だから、もっといえば会社が大手だから、看板があるから、達成できていたということもままあるということです。別の会社、特に規模の小さな会社に転職した途端、おつきあいしてくれなくなる顧客やパートナー企業も少なくありません。そのために自分自身がどれだけ通用するのか、見極めをしておく必要があります。
私が以前勤めていた会社はいわゆるベンチャー、中小企業でしたが、辞めるときは大手に成長していました。ですから、会社を辞めたら本当に自分が通用するのかどうか不安でした。取引先などに対して率直に、自分が会社を辞めても付き合いを続けてくれるのか聞いてみることも、覚悟が決まっていれば必要です。ただ、そのようなことを口にすれば、現職の企業に知られてしまう可能性もあるわけですから、そのリスクを覚悟する必要があります。
また同業転職であっても、中小から大手に転職する方もいます。実力が認められ、業界上位の会社から声がかかるということもあるでしょう。その場合にも気をつけることがあります。大手企業の場合は個人で動くというよりもチームで仕事を行うケースがほとんどです。ですから、一匹狼的になんでもやるというよりは、周囲をできるだけ活かして仕事をしていくということが大事です。中小から大手にいくほど、業務が細分化されることが多いといえます。ですから、転職後にその点をストレスに感じる方もいます。
その一方で、大手に転職すれば、大手でしかできないスケールの大きな仕事に巡りあうこともできます。転職を決断する際は、自分が何を大事に、大切にしているのか知ることが必要です。