「スポーツメンタルコーチング」の手法を用いて、サッカーJリーグチーム、ラグビートップリーグチーム、バレーボールVリーグチーム、スノーボード日本代表チーム、ラクロス男子日本代表チームなどをサポートした柘植陽一郎氏(フィールド・フロー代表)。企業広報として10年間の活躍を経て、コーチングの道に進んだ稀有な存在だ。プロ選手だけでなく、部活動に取り組む学生・指導者・保護者とも並走する柘植氏の「コーチング論」をうかがった。ビジネスパーソンも応用できる、失敗できない仕事で必要となる「ルーティン」「目線」とは。(取材・文・撮影/編集者・メディアプロデューサー 上沼祐樹)
パフォーマンスを向上させる
3つのルーティンとは
スポーツ選手ならば試合、ビジネスパーソンならばプレゼンなど、結果が求められるという点において、両者は共通している部分があると言えるでしょう。最近では、スポーツ選手が取り入れる“ルーティン”に注目が集まっています。私が関わる選手にも活用している選手がいます。
具体的には、高いパフォーマンスを発揮できるようなよい意識状態を作り出すために3つのことを確認します。まず、「技術や戦術の確認は、どのタイミングでやっておけばいいのか」。次に、「意識や身体感覚の確認は、どの程度するのか」。最後に、「信念やセルフイメージは、いつ確認すると良いのか」。これらをすべてやってもいいし、そうでなくてもいい、興味のあるものがあれば、試してみてはどうだろう、そう選手に伝えます。