保険ラボ

コロナ禍に見舞われたこの2年半で、生命保険市場の商品トレンドはどう変化したのか。この半年、海外諸国の金利が上昇しており、外貨建て貯蓄性商品の動向にも変化が出ていそうだ。そこでアクサ生命保険の河島鉄郎執行役員商品開発本部長に、商品トレンドと市場環境について話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 片田江康男)

最新の生保商品トレンド
保険料の低価格化に拍車

――生保商品のトレンドをどうみていますか。

 まずいえるのは、保険料の大幅な低料金化です。生保各社は医療保険やがん保険など主力の保障性商品で新商品を出したり、商品改定を進めたりしていますが、保険料をどんどん下げている印象があります。

 お客さまにとって保険料が下がるのは良いことですが、保険会社の商品開発者の立場からすると、「あそこも下げた、ここも下げた」という状況で、競争が厳しくなっていると感じています。ここまで保険料を値下げすることは、過去にはあまりないことでした。下げたとしても、数%といったところです。それが、10~15%も保険料を下げる保険会社も出てきているようです。

 しかも、もともと医療保険やがん保険で、非常に競争力のある商品を出されているFWD生命保険さんやオリックス生命保険さんが値下げをしていますし、今とても勢いのあるメディケア生命保険さんも、魅力的な保険料で商品を展開しています。

こうした保険料の低廉化の影響を受けて、それ以外の生保会社さんも値下げを検討せざるを得ないところもあると聞いています。この流れは、まだしばらく続くのではないでしょうか。

――医療保険やがん保険は、これまでも熾烈なスペック競争が繰り広げられてきました。業界内では「スペック競争はやり尽くした」という声も聞こえてくるほどです。今はスペック競争というよりは価格競争、さらには体力勝負になっているということでしょうか。