「シルバー民主主義」では、政治家は若者より高齢者を優遇しがちになる。

 高齢者は人数も多く投票率も高いから、政治家としては「高齢者を冷遇するような政策を採用すると、次の選挙で落選するかもしれない」という恐怖心がある。一方で、若者は人数も少ないし投票率も高くないから、政治家としては「若者を冷遇するような政策を採用しても、次の選挙で落選することはないだろう」という安心感がある。

 この結果、限られた予算などを配分する際には、当然高齢者を優遇して若者を冷遇する政策が選択されることになる。これがシルバー民主主義である。

 そうしたメカニズムが働いている以上、若者が投票に行かないと、高齢者を優遇する政策が採られ続けることになりかねない。そうならないために、若者にはぜひ投票に行くことを勧めたい。

誰に投票したら良いかわからない!
そんなときは「白票」でも

 本来は、若者にも政治に関心を持ってもらいたいが、本稿は堅苦しいことを議論するよりも、とにかく気楽に投票所に足を運んでもらうことに注力したい。

 今の政治に満足か不満か、というイメージを持っている人は、それで投票先を決めよう。今の政治におおむね満足ならば、与党(自民党か公明党)に投票すれば良いし、今の政治に不満ならば、それ以外の候補者に投票すれば良い。

 もっとも「今の政治に満足か不満か」と聞かれても、よくわからないという人も多いだろう。そういう人は、投票すると決めたら、10分だけスマホで各候補や各政党のページを検索してみよう。なんとなく良い印象を持ったか悪い印象を持ったか、直感で投票先を決めれば良い。

 ただし、美人や美男子だからという理由での投票は避けよう。顔つきが誠実そうな印象だったから、というのは構わない。なかなか区別するのは難しいかもしれないが。

 それでもどうしても誰に投票するかを決められない、という場合には、何も書かない白紙の投票用紙を投じても良い。好ましいこととはいえないが、投票しないよりは、よほどマシである。