洗濯物を干す女性写真はイメージです Photo:PIXTA

昨今、耳にする機会が増えている「フェムテック」。女性が抱える健康課題を解決するテクノロジーや商品・サービスのことを指すが、このフェムテック市場に大きな成長が見込まれているという。その背景について、日本フェムテック協会理事長の山田奈央子氏に聞いた。(清談社 田中 慧)

日本のフェムテック市場が
コロナ禍で広がり始めた理由

 生理周期や排卵日を予測する「月経管理アプリ」や、病院に行かなくても診療を受け低用量ピルを処方してもらえるオンライン診療、生理用ショーツや月経用カップといった、女性の健康に関する商品やサービスは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で「フェムテック」と呼ばれる。

 この名称は、2013年頃にドイツの月経管理アプリの制作会社「Clue」が、生理や妊娠、不妊治療、更年期障害といった女性特有の健康課題を改善するサービス全般を総称したのが始まりとされる。その後、フェムテック市場は欧米を中心に一気に広がり、2019年の世界の市場規模は8億ドル(約1000億円)に及んだ。