生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
実は不要なことがある
「やらなきゃいけない」「やったほうがいい」と思い込んでいることのなかに、実はやらなくてもいい、やらないほうがいいことが少なくありません。
その典型が、「打ち勝つ」「乗り越える」といった感覚。これらは基本的に不要じゃないかと思うんです。目の前に立ちはだかる困難に打ち勝つ、壁を乗り越える……道徳的には美しい努力なのかもしれませんが、必ずしもそれが正しいとは限りません。
困難に打ち勝たないと目標にたどり着かないとは限りませんし、壁を乗り越えない方法だってあるはず。目標にたどり着くルートは必ずしも困難な1本道ではなく、精神的にも肉体的にも疲弊することが少なく、楽しみながらたどり着くルートだってあるかもしれないのです。
ラクをするのは悪いことじゃない
なにかをするのに困難に打ち勝とうとか、壁を乗りかこようとか、思わなくてもいいんです。むしろ、ラクをして楽しみながら目的を達成するルートを見つけようとしたほうが、人生が楽しくなるはず。
打ち勝とうとしてもしょうがないこと、乗り越えようとすると別の苦しみが生まれるだってあります。自分が苦手なことにわざわざ挑んで、精神的にも肉体的にも疲弊して、病んでしまうケースだってあります。無理に挑もうとすることによる弊害です。
なんでも自分でやらなくてもいい
そもそも、自分が得意で楽しめることを活かしたほうが、うまくいくことが多いです。世の中は自分ひとりで成り立っているわけじゃないので、苦手な分野は、得意な人の助けを得られるようにするとのほうが大事でもあります。
学校の勉強は、他人の助けを借りず、自分の力で頑張るように指導しがちです。しかし、大人になって社会に出たら、自分が不得意なことに無理やり挑むより、得意なことを伸ばして、苦手なことは得意な人に任せるというスタンスが大切です。
できる人は、苦手なことを人に助けてもらうのが上手。できない人は、なんでもかんでも自分でやろうとして、不要な労力や時間を費やしがち。困難を意識しすぎることによって、その困難の存在感が、自分のなかで大きくなりがちでもあります。必ずしも困難や辛さに打ち勝とうとしなくてもいいんです。
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。