生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。
そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。
とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
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つい高いレベルで目標を設定しがち
きょうのひとことは、
「極端な目標を立てないで」
目標を立てることってありますよね? 年の初めにその年の目標を立てる人もいるでしょうし、アスリートのように自己記録更新のため、必要に迫られて目標を立てているケースもあるでしょう。健康や美容のため、目標体重を設定してダイエットにチャレンジすることもありますね。
いずれにしても目標を立てるとき、人はちょっと焦っていたり、そのことで頭がいっぱいになっていたりすることが多いです。そういうとき、ついつい極端に高いレベルで目標を設定する人もいます。
失敗が刻まれてしまう罠
極端な目標を掲げる人というのは、結果としてうまくいかないことが多いです。考えてみれば当たり前のことで、極端に高い壁は、誰だって乗り越えられないですよね。
自分が抱える課題を一気に解決したいがために、自分の実力以上の目標設定をしてしまいがちです。目標をクリアするためには、日々継続しなければなりませんが、極端に高い目標だと、いつまで経っても目標に近づけない。結果が得られず、ついには挫折してしまう……。
そして失敗体験だけが、自分の身に刻まれてしまうわけです。
最初のステップは小さな成功体験を得ること
たとえば、ダイエットにチャレンジしようとして、やるなら一気に痩せようと、ここ数年注目を浴びている糖質制限をしたとします。これまで、ごはんやパン、パスタ、スイーツ、甘い清涼飲料水など、糖質をたくさん含む美味しい食事を楽しんでいた人が、それらを一切やめて、野菜やお肉、豆腐だけの食生活を始めたりしても、ほとんどの人は長続きしないものです。
あるいは、これまで運動をしてこなかった人が、健康のためにジムに入会して毎日筋トレしようとか、そういう目標を立てても、なかなか続かないわけです。糖質制限するのであれば、急に一切の糖質を抜こうとするのではなく、まずはごはんを半分の量にしてみるとか。運動であれば、会社帰りに最寄りの駅やバス停のひとつ手前で下車して、自宅まで歩いてみるとか。
「これなら、たぶんできそうだ」という自分にとって無理のないレベルで、目標を設定してみるといいでしょう。そうやって小さな成功体験を得ることが、最初のステップです。
成功確率50%くらいの目標がちょうどいい
誰だって成功体験を得るとうれしいですから、モチベーションが高まって、次につながりやすいですからね。逆に極端に高い目標を設定して失敗体験を得ると、嫌になってやる気を失ってしまいます。目標を小分けして、ちょっとずつ小さな目標をクリアしながら、小さな成功体験を得ることが、結果として大きな目標に近づくポイントです。
だんだん慣れてきたら、目標レベルをちょっとずつ上げて、自分にとってクリアできるかできないか半々の確率の目標を掲げるように意識してみてもいいでしょう。このときも決して高すぎる目標を掲げるのではなく、せいぜい成功確率50%程度、つまり50/50(フィフティ・フィフティ)の目標を上限とするのがコツです。
そうやって上手に目標を設定して、自分自身のご機嫌をとりながら、小さな成功体験を積み上げていってくださいね。そうすれば、いずれ大きな目標を達成できるでしょうし、違う目標にも挑みやすくなると思います。
きょうのひとことは、
「極端な目標を立てないで」
でした。
参考になったかしら?