ご存じのように、広い中国を見るためには、4つのブロックに分けて見たほうがとらえやすいと思う。その4つのブロックは、東部(沿海部とも言う。先進地域)、中部(新興地域)、西部(後進地域)、東北部(低迷地域)となる。
2004年頃から、中国経済を観察していた私の関心は、次第に沿海部から内陸部、東北部とくに中部地域の都市に移っていった。そして時間の経過とともに、その関心もさらに奥地へ奥地へと移動し、西部地域に点在する一部の都市にまで広がっていった。数年という時間をかけて50ぐらいの都市を回ってみた。2010年、これから最も発展する潜在力のある地方都市として、その中から22の都市を選びだして一冊の本にまとめた。それが『莫邦富が案内する中国最新市場 22の地方都市』(海竜社)だ。
「明日の星」になりそうな地方都市
これまですでに大きく発展し、注目を浴びている都市はこの本の対象としない。これから大きく伸びるだろうと思われる都市、つまり「明日の星(スター)」と評価してもよさそうな都市、とくに中部など内陸部に広がる市場として注目できそうな都市を対象にしている。東部地域では、私の関心を主にこれまで見落とされてきた沿海部の都市群に注いだ。さらにいままで視野に入ってこなかった西部の都市群にも目を配った。その22の都市の顔ぶれは次の通りだ。
【東部】
浙江省:寧波
江蘇省:南通、揚州
天津市
山東省:済南、東営
河北省:唐山、保定
福建省:厦門