「お金は欲しいけど、仕事はしたくない」「仕事はキライじゃないけど、お金のために働くのはイヤだ」「定年まで働くなんて考えられない!」
そんな思いが少しでもあるのなら参考にしたいのが、入社4年目の26歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした遠藤洋氏の著書『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)だ。仕事をしながら小型株集中投資によって資産を築いた著者が、「最速でお金から自由になる」ための秘策を伝授! さらに、「お金」にも「時間」にも「場所」にも縛られず、好きなことで楽しみしながらお金を得て、自ら実践している人生を最大限に満喫する方法を徹底指南する。
※本稿は『投資をしながら自由に生きる』より一部を抜粋・編集したものです。
「お金を得る」ということの本質とは?
【前回】からの続き
「価値提供」について、もう少し掘り下げて考えてみましょう。あなたがフレンチレストランでシェフとして働いているとします。一般的なイメージとしては、シェフとしてミシュラン3つ星のグランメゾンで働くことが、1つの成功と思うかもしれません。
しかし、「本当の自由」を目指すのであれば、働き方を変えていく必要があります。シェフならば、お客さんに美味しい料理を提供することが、いちばんの「価値提供」となります。仕入れた食材を調理し、味つけをして、お皿に盛りつけることによって完成した料理は、単なる食事ではなく、店全体の雰囲気や接客とともに、新たな“食体験”として「価値提供」します。
この「体験」に対してお客さんは価値を感じて、お金を支払うのです。
いかに「自分の時間」を使わないか
多くのシェフは、より美味しい料理を追求すべく、自分の時間を料理の研究や新メニュー開発などに費やします。それは素晴らしいことですし、そうしたシェフの努力があるからこそ、私たちは美味しい料理と食体験を楽しむことができます。
しかし、そのような職人的な働き方では、お客さんに美味しい料理を提供するために、どうしても「自分の時間」を使う必要があります。
料理人としての道を極めてミシュランの3つ星を獲得すれば、お客さんからさらに高い単価を得られるようになるでしょう。そうすれば得られる報酬は増えるかもしれませんが、自分の時間を使って働くという状況は変わりません。
お店が繁盛すればするほど、「時間の自由」が遠のいていきます。「本当の自由」を実現するという本書の目的からすると、やはりどこかで職人的な働き方から脱却する必要があるのです。
なにがいちばんの「価値」なのかを考える
では、具体的にどのように働き方を変えればいいのでしょうか? そこで、あらためて「価値」に着目します。シェフが提供すべきいちばんの価値は「美味しい料理」です。
店内の雰囲気や接客、使用する食器やグラスなどによって、総合的な価値は違ってきますが、レストランを利用するお客さんがお金を払う価値は、やはり「美味しい料理」に対してでしょう。
どれだけ店の雰囲気や接客がよくて、使用する食器やグラスが高級で洗練されていても、肝心の料理が美味しくなければ、「このレストランにまた来たい」と思うお客さんは少ないはずです。多くの場合、「美味しい料理」さえ提供されているのなら、それ以外のことは、多くのお客さんにとっては、大した問題ではないのです。
お客さんへのいちばんの訴求力はなにか?
想像してみてください。お店の雰囲気や接客がパーフェクトでも肝心の料理が美味しくないレストランと、店の雰囲気や接客がよくなくても、料理が最高に美味しいレストラン。どちらのレストランに行きたいでしょうか?
一般的にお客さんがレストランに求めるいちばんの価値は、「美味しい料理」なのです(厳密には飲食店のコンセプトや価格帯によって求める価値は変わりますが、ここでは話をシンプルにするために料理の味だけにフォーカスします)。
いかにサボりながら価値提供するか?
そう考えると、シェフが提供すべきいちばんの価値は「美味しい料理」になります。「本当の自由」を得るためにシェフが考えるべきは、「自分の時間を使わなくても美味しい料理を提供する方法は何か」なのです。
その思考にたどり着くと、本当にやるべき仕事の優先順位が変化します。弟子を育ててお店を任せたり、料理のつくり方をマニュアル化しフランチャイズチェーンにしたり、コンビニや大手企業とコラボして商品開発をしたり、さまざまな発想が出てくるでしょう。これが「サボりながら価値提供をする」ということです。
※本稿は『投資をしながら自由に生きる』より一部を抜粋・編集したものです。