バーチャルオフィスは
20代の社員からも好評

 実際にこのサービスを活用している企業にも取材を行った。人材サービスのエン・ジャパンは、2020年半ばにoViceを導入。現在ではほとんどの部署で導入しており、全社員の7~8割が日々利用している。同社はコロナが拡大し始めた2020年4月にテレワークに移行している。

「テレワーク当初はZoomを使っていましたが、何か相談があると、その都度アクセスするのが面倒で、なんとかできないかと悩んでいました。そんなとき、oViceを知り、試験的に1つの部署で導入してみたのです。すると気軽に相談や打ち合わせができるようになりました」(エン・ジャパンブランド企画室・清水朋之さん)

出社はやはり不要?テレワーク進化版「バーチャルオフィス」導入企業を直撃仮想空間に20以上のフロアを持つバーチャルビルを構築しているエン・ジャパン。業務以外にも社員研修やイベント、交流会などに活用している

 その評価を受けて昨年、全社に導入。その後、仮想空間に20以上のフロアを持つバーチャルビルを構築し、日々の業務だけでなく社員教育やイベント、交流会なども行っている。

「導入後、入社1~3年目の社員を対象にアンケートを取ったところ、93%の社員が働きやすくなったと回答しています。特に若手社員は、上司への相談が気軽にできるようになったため、業務がスピーディーにこなせるようになり、結果的に生産性が上がりました」(清水さん)

 コロナ禍で急速に増えたテレワーク。バーチャルオフィスを利用すれば、オフィスの賃料を軽減できるし、社員のコミュニケーションも促進することも可能だ。予測通り、今後バーチャルオフィスの需要は増えていくに違いない。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))