夢や目標を実現できる人、できない人の差はどこにあるのか? その答えは、「習慣化」にある。『成功者がしている100の習慣』(ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳)は、長年のコーチング経験を通して著者が見つけた、「成功者たちに共通する習慣」をまとめた話題の1冊だ。本書には、あらゆる人が実践できるアイデアだけが紹介されている。だが、そのすべてを行う必要はなく、自分に適したものを選んで行動に移すだけでOKだ。「成功しない人は成功者の真似をしない」と著者は言う。うまくいっている人の真似をすることが成功への第一歩になるのだ。(構成:瀬田かおる)

「人生がうまくいく人」の共通点。「習慣力」が身につく具体的2つの方法Photo: Adobe Stock

成功するためにまずやるべきこと

 人は「こうありたい自分」になるために目標や夢を設定する。だが、こんなことはないだろうか?

 年末に振り返ってみると目標を立てたことすら忘れてしまっているということが。

 この原因は、目標や夢などどうせ叶うはずがないという思い込みにある。

 そして、日常の「しなければいけないこと」に追われるうちに、せっかく立てた目標や夢のことなど忘れてしまうのだ。

 そうならないために、いちど自分の立てた目標や夢を見直してみてほしい。

「いまよりやりがいのある仕事に転職する」とか「自分に自信が持てるようになる」などといった、どこか曖昧な目標になっていないだろうか。

 目標や夢を設定する時には、曖昧ではなく、具体的で測定可能なものにした方が実現しやすいのだが、それについては記事の最後の方で詳しくご紹介しよう。

成功する人は夢を追い求め、成功しない人は現実に流されている(P.16)

自分の夢をしっかり把握する

 そもそも「どんな自分になりたいのか」をあなた自身が分かっているだろうか?

 もし、明確になっていないのであれば、時間をとって考えてみるべきだ。

 その時は考える環境も重要になる。自宅であれば早朝の静かな中で。自宅以外であれば落ち着いたカフェなどで書いた方がより深く自分と向き合えるだろう。

 また、この時に大切なのは、目標や夢に制限を設けないことだ。

 過去があって今の自分があるが、未来も今の自分のままとは限らない。自分の行動次第では叶うはずがないと思うような目標や夢だって、実現する可能性は大いにあるのだ。

 だから、頭に思い浮かんだ目標や夢は「やりたいことリスト」と称し、臆することなくリスト化してみよう。

 小さな頃になりたかったものは何だろうか。お金や地位、能力などに制限がなく、どんな望みも叶うとしたら、あなたは何を望むだろう?

 どうか思いつくままに「やりたいことリスト」を書き進めてほしい。

 そのリストが完成したら、なりたい自分になるための目的地が設定されたことになる。

「目標を書き出す」と達成率が上がる

「こうなったらいいなぁ」とぼんやり思っているだけでは、ただの「願望」に過ぎない。

 成功者は「願望」にとどめずに「目標」に落とし込んでいるものだと著者は言う。

 本書では「目標を書き出す」ことを推奨していて、「目標を書き出すことで被験者の成功率が42%向上した」というドミニカン大学カリフォルニア校の実験結果が紹介されている。

 目標を達成するために、「書き出す」ことを習慣化してみよう。

成功する人は夢を「目標」に落とし込んでいて、成功しない人は「願望」しか抱いていない(P.243)

目標を叶えやすくするための習慣とは?

 目標を設定するときにはちょっとしたコツがあり、ビジネス向けコーチングの開祖であるジョン・ウィットモアが提唱した「スマート(SMART)の法則」が本書で紹介されている。

*具体的(Specific)
*測定可能(Measurable)
*達成可能(Attainable)
*現実的(Realistic)
*期限付き(Timeframe)

 この5つをまとめると、「目標を達成可能な小さな目標に細分化して、達成感を多く味わえる」ようにデザインするといいということになる。

 さらに設定した目標は、書き出して終わりではなく、思いついたときに書き足す習慣を身につけよう。

 そうすれば、夢や目標にグッと近づけるはずだ。

 最後に、意外と侮れないのが思考だ。著者はこう言っている。

「自分は成功する」と考えるか、「自分なんてどうせ成功しない」と考えるかは、現実に大きな違いをもたらす(P.199)

 あなたの人生を豊かになるかどうかは、「あなたが成功に向かって行動するかどうか」にかかっているのだ。