大阪は自信を失っている――。関西財界の大物幹部はそう自嘲気味に語る。新型コロナ禍でインバウンド(外国人観光客)特需が消失し、大阪経済の地盤沈下が止まらない。起爆剤として期待される2025年の大阪・関西万博や大阪IR(統合型リゾート)でも、建設費の膨張リスクといった火種がくすぶる。財界に目を移せば、盟主、関西電力が不祥事に揺れる。特集『「大阪」沈む経済 試練の財界』では、8月22日(月)から20回超にわたり、万博やIRに向けた地元財界や財閥グループの動きに加え、大阪の金融や建設、電機業界の今を徹底解剖する。
#1 8月22日(月)配信
関西財界の総本山・関経連、松本会長の最有力後継候補に浮上した「大物幹部」の名前
関西財界の「総本山」ともいえる関西経済連合会の松本正義会長が来春で就任から丸6年を迎え、「ポスト松本」の動向に注目が集まっている。大阪・関西万博の誘致や準備に辣腕を振るう松本氏の後任として、最有力候補に浮上している財界の大物幹部とは。
#2 8月22日(月)配信
大阪「崖っぷち企業」ワーストランキング【315社】超名門がズラリ!2位JR西、1位は?
新型コロナ禍やインバウンド消滅で大打撃を受けた大阪経済。大阪に拠点を置く上場企業「全315社」を収益力や財務基盤、投資家評価で採点し、点数が低い「崖っぷち」企業の独自ランキングを作成した。ワースト3には誰もが知る鉄道会社やエネルギー会社が入った。
#3 8月23日(火)配信
大阪万博「寄付金」大商トップのサントリーは10億円超!?苦しい“寄付集め”の内情を財界人が明かす
「70年万博」の夢よもう一度――。2025年大阪万博への期待が高まるが、会場建設費は当初予定の1.5倍に膨れ上がった。財界幹部企業を中心に1社10億円のノルマが課されたが、「見返りはない」と突き放す声も。苦しい寄付集めの内情を財界人の本音と共にお伝えする。
#4 8月23日(火)配信
「万博は国家イベントだ!」開催に東奔西走の関経連・松本会長が現状を熱く語る
大阪・関西万博開催まで1000日を切った。だが、全国レベルで機運が高まっているとは言い難い。先頭に立って建設費の寄付金集めなどに奔走する関西経済連合会の松本正義会長が現状の課題と対策を熱く語った。
#5 8月24日(水)配信
大阪商工会議所の新会頭・サントリー鳥井信吾氏が語る大阪復活「今こそ、ものづくり!」
関西財界の雄、大阪商工会議所会頭に今春、サントリーホールディングスの鳥井信吾副会長が就いた。新トップは大阪経済の地盤沈下をどう食い止めるのか。直撃した鳥井氏が強く唱えたのが、ものづくりの復権だ。
#6 8月24日(水)配信
万博とカジノが招く、大阪「インフラ整備費」底なし沼…私鉄は路線延伸を様子見
大阪湾岸の埋め立て地を万博・IR会場とする試みだが、工事が進むほど、不安定な地盤によって引き起こされるリスクが表面化。790億円の“公費投入”に加え、アクセス道路の建設費は当初予定の最大3倍にも上る。暗雲垂れ込める計画に対し、関西私鉄も延伸に二の足を踏む。
#7 8月25日(木)配信
関西電力が「原発マネー問題」で財界盟主陥落でも、業界団体トップの座を狙う思惑
2019年に「原発マネー」の還流問題が発覚した関西電力。関西経済連合会トップを歴代4人も輩出した財界の盟主は、“指定席”である関経連副会長からも3代続けて漏れ、“活動自粛”を迫られている。その一方、業界団体トップには色気を見せる関電の思惑とは。
#8 8月25日(木)配信
大阪万博「出展内定辞退」ドタバタ劇の深層、大阪外食産業協会を悩ます2企業の苦境
大阪万博の出展を巡り異例のドタバタ劇が起きている。出展が内定していた大阪外食産業協会の辞退が取り沙汰された。協会は出展に前向きだが実現のハードルは高い。背景には地元の二つの名門企業の苦境が関係していた。
#9 8月26日(金)配信
維新と大阪財界は「相互不信」、カジノ計画にあの巨大企業グループが距離を置く理由
「既得権」や「しがらみ」を批判する大阪維新の会に警戒感を隠さない大阪財界。カジノを含むIR計画に期待する声もあるが、バラ色の経済効果の試算などへの疑問は尽きない。そして、大阪を代表するあの巨大企業グループは明確にカジノと距離を置く。
#10 8月26日(金)配信
関西財界「名門企業」ランキング【51社】6位パナソニック、1位は?
関西財界の「総本山」こと関西経済連合会の正副会長の座に就くことが許されるのは大手企業の経営者だけだ。では、正副会長を最も多く輩出した「名門企業」はどこか。歴代のポストを独自に点数化し、関経連の名門企業を序列化した。名門電機のパナソニックホールディングスの6位を上回るトップ5は。
#11 8月27日(土)配信
NTT西日本“異例の海外畑”新社長が明かす野望「大阪に海外企業の拠点誘致」
NTTが異例の「万博人事」だ。NTT西日本のトップに、海外畑のエースが就任したのだ。万博出展の狙いと大阪経済の課題を、新社長の森林正彰氏に直撃して聞いた。
#12 8月28日(日)配信
関経連と大商のトップが20年前に示していた難題、関西経済復活の「処方箋」
関西経済は復興できるのか――。「週刊ダイヤモンド」1999年9月25日号では、大阪商工会議所と関西経済連合会の関西財界ツートップにそんな問いを投げ掛けている。今から20年超前に、財界首脳は直面する難題にどう対処しようとしていたのか。当時のインタビューを再掲する。
#13 8月29日(月)配信
竹中工務店vs大林組、大阪の「超目玉工事」をめぐるゼネコン大手の死闘
ゼネコン大手の竹中工務店と大林組が東阪で繰り広げる目玉案件の激しい争奪戦は“竹林戦争”といわれる。両社の首脳は大阪財界で要職を歴任してきたが、発注側である関西私鉄など有力顧客は、ゼネコンに決して甘くはない。東京地盤のゼネコンも巻き込んだ受注競争の歴史をひもとき、万博後も続く死闘の行方を展望する。
#14 8月29日(月)配信
社外取締役「大阪vs東京」報酬ランキング【トップ50】大阪トップは4900万円の大物経営者
社外取締役の需要が高まる中、報酬も上昇傾向にある。大阪に本拠を置く企業の社外取の待遇の実態とは。推計報酬額が高い社外取トップ50の実名を公開する。大阪と東京の社外取の待遇を徹底比較する。
#15 8月30日(火)配信
大阪創業のメガ銀・生保・証券の“東京流出”を尻目に、あの銀行が見せる「大阪重視」
日本を代表する大手金融機関の多くは、大阪で創業した歴史を持つ。各社とも実質的な本社機能を東京に置きつつ、大阪・関西重視を強調する。しかし、財界活動への取り組みなどにその濃淡はどうしても出てしまう。大阪に深く根を下ろすのは、やはりあの銀行だった。
#16 8月30日(火)配信
シオノギ、アンジェス…コロナ治療薬「迷走」で嘆かれる大阪医薬の地盤沈下
製薬会社の本社が集結し、薬の街として知られる大阪・道修町。製薬は大阪を代表する伝統産業の一つだが、コロナ治療薬の迷走など、地元からは地盤沈下を憂える声が上がる。
#17 8月31日(水)配信
パナソニックとシャープ、電機の名門が凋落しても地元にあまり惜しまれない理由
大阪を代表する電機メーカーだったパナソニックホールディングスとシャープ。両社共に“大阪離れ”が進み、大阪の「顔」としての地位は低下している。ところが、地元では凋落を嘆く声があまり聞こえてこない。
#18 8月31日(水)配信
住友商事会長が明かす大阪万博の意義「400年続く『住友』を理解してもらう」
大阪万博実現の陰の立役者は地元の名門財閥、住友グループだ。誘致からパビリオン出展まで、住友グループはどう動き、大阪経済をどう盛り上げていくのか。住友商事の中村邦晴会長に聞いた。
#19 9月1日(木)配信
トヨタや関西電力に食い込む岩谷産業、関西財界でも存在感示す「コバンザメ処世術」
LPG(液化石油ガス)業界最大手の岩谷産業は、牧野明次会長が関西経済連合会副会長を務めるなど、関西財界で高い存在感を示している。その秘訣は、トヨタ自動車や関西電力などの超大手企業に食い込む「コバンザメ処世術」にあった。
#20 9月2日(金)配信
大阪名門25社の人脈マップ!財界の結束の要は社外取ポストの「持ち合い」
大阪財界の強い結束は、ビジネス上での取引だけでなく、大手各社の社外取締役の顔触れにも表れている。大阪に拠点を置く名門企業25社の社外取を務める大物経営者44人のポスト「持ち合い」の構図を明らかにする。
#21 9月3日(土)配信
「日本のスタンフォードに!」近畿大躍進のキーマンが明かす起業家育成の秘策
起業数が伸び悩む大阪。志願者数日本一を誇り、存在感を高める近畿大学が足元で力を入れ始めたのが起業家の育成だ。「日本のスタンフォードになる!」。近大躍進のキーマンでもある世耕石弘経営戦略本部長はそうぶち上げた。
#22 9月4日(日)配信
大阪万博入場券「6000円より価格上げないと」、事務局トップが値上げを示唆
大阪・関西万博の開幕まで1000日を切る中、1850億円の会場建設費の上振れリスクが懸念されている。日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長がインタビューに応じ、建設費のさらなる上振れを否定した。入場券に関しては、想定される大人6000円から価格を引き上げる方向で見直す可能性を示唆した。
#23 9月5日(月)配信
住友・三菱・三井、3大財閥「鉄の掟」と「グループ内序列」を万博出展で読み解く
大阪・関西万博には住友グループと三菱グループという日本の名門財閥がパビリオンを出展する。出展を決定したのはグループ企業の社長会、住友の「白水会」と三菱の「金曜会」だ。知られざる三大名門財閥の中枢組織と万博との関わりを追った。
Key Visual by Noriyo Shinoda