パナソニックの呪縛Photo: Christof Koepsel/gettyimages

パナソニックとトヨタ自動車が住宅・電池事業の統合で夢見た「将来構想」が画餅になりつつある。とりわけ深刻なのが住宅だ。問題事業を押し付けられた豊田章男・トヨタ社長がパナソニックに激怒しているとされ、両社間の火種になりかねない事態に発展している。特集『パナソニックの呪縛』(全13回)の第8回では、住宅事業を巡り繰り広げられる冷戦の実態に迫った。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

豊田家肝いりのスマートシティーに
距離を置くパナソニックの現実主義

「豊田章男社長が怒るのも無理はない。トヨタ自動車は真面目にスマートシティーのノウハウを得ようと資本提携を締結したが、パナソニックには住宅事業を非連結化したいという打算しかなかった」

 パナソニック関係者は、同社とトヨタによる住宅事業の合弁会社が“呉越同舟”に陥っている内幕について明かす。

 パナソニックとトヨタは住宅事業でどのように擦れ違い、関係をこじれさせてしまったのか。