2013年の消費者心理は
震災後の変化を引き継ぐ
現在の消費市場を分析し、今後の動向を予測する上で、「ニューノーマル消費」は頻出ワードの一つだ。
ニューノーマルとは2008年9月のリーマンショック後に、米資産運用大手ピムコのCEO、モハメド・エラリアン氏が提唱したものだ。「もはや、元には戻らない」ことを意識し、過去の豊かさや便利さから決別する。そして、必要以上の贅沢や無駄を省き、身の丈に合った経済・消費活動が定番化するようになるという意味が込められている。
日本では、2011年3月11日に東日本大震災が発生し、人々は政治や経済の混迷を経験。その混乱から1年が経過した2012年、リーマンショック後の米国と同様に、誰もが「震災前の状態には戻らない」と感じるようになった。
消費行動にはそれを踏まえて、以下のような傾向がありそうだ。
・所得の範囲内で堅実に
・商品を賢く選択しメリハリをつけ、限られた贅沢を楽しむ
・人と分かち合う
・地域や家族と共に消費し、幸福感を求める
これらは、震災後から続いており、2013年の消費市場も、基本的にはこの傾向の延長にあると見られている。2012年にヒット商品として急浮上した「格安航空会社(LCC)」「塩麹」、また「食材を無駄にしないリメーク料理」などは、この流れを反映した典型例だろう。