対策としては、一度陰性に出た後に再度検査をすることで検出率を上げられるというデータ(※1)も存在するので、一度の陰性では安心せず、少なくとも間を置いてもう一回は自宅のキットで検査をしておきたい所です。
1回の抗原検査に全く意味がない訳ではありませんが、とはいえ「自分は100%コロナではない」という認識に置き換えないようにしましょう。
現状の感染の流行状況を考えると、熱があって、のどが痛いだけで新型コロナの可能性は高く、「検査する前」の可能性も平時と比べて明らかに高いため、精度のあまり良くない一回の抗原検査の陰性結果では全くコロナの可能性を否定する要素にはならないのです。
一度の陰性結果で安心するのではなく、「少しでも体調が悪ければ、この感染状況では新型コロナに感染している可能性はあるから、人との接触は避けよう」という心構えを必ず持ってほしいと思います。
高齢者や重症化リスクのある人は、パルスオキシメーターを買う
必ずしも医療機関を受診する必要がないとはいえ、高齢者や重症化リスクのある方にとっては病院をかかれない状況は不安そのものでしょう。自宅で準備できることはあるのでしょうか?
まず、市販薬の備蓄や、抗原検査キットを購入しておきましょう。抗原キットは研究用のものではなく、国の承認を受けた「体外診断用医薬品」を選択するようにしましょう。
市販薬については、発熱、のどの痛み、しつこい痰の症状が出やすいので、解熱鎮痛薬、去痰薬などがあると役に立ちます。また「パルスオキシメーター」を購入しておく、という選択肢もあります。
パルスオキシメーターとは、血液中にどれだけ酸素が十分に存在するかを示す指標である「酸素飽和度」を測定する機械で、指先に装着するだけで使用も簡単です。普通、健常者は酸素飽和度は98-100%ですが、肺炎等の影響で92-93%に低下し、90%を切ると一般的に病院では酸素ボンベから酸素の投与を行うことが多いです。
全員に必須とは思いませんが、特に高齢者や、重症化リスクの高い方にとっては、重症度の一つの指標になります。保健所から送付されることも多いですが、現状の感染状況ではなかなか届かないという事例も報告されているので、1つ購入しておいても良いでしょう。
※1 Victoria T Chu et al. Comparison of Home Antigen Testing With RT-PCR and Viral Culture During the Course of SARS-CoV-2 Infection. JAMA Intern Med. 2022 Jul 1;182(7):701-709.