ロキソニンの副作用とは?

 まず副作用についてですが、ロキソニンは一般的に飲み続けたり、一度に多く飲んだりすると腎臓や、胃に障害をもたらす場合があります。

 ロキソニンが働きを抑えている「プロスタグランジン」という成分には血管を広げる役割もあります。その為ロキソニンの飲みすぎでプロスタグランジンを抑えすぎると、同時に血管を広げる作用も抑えてしまいます。

 この結果として、腎臓に血液を送る血管を広げられなくなり、血管が収縮し、腎臓に十分な血液が流れなくなることがあります。

 また、ロキソニンには胃の粘膜を保護している「COX1」という成分を抑制する作用があるので、ロキソニンを飲み過ぎると胃が荒れて胃潰瘍になったりする場合もあります。

 ただし、「コロナ感染中の間だけ」ロキソニンを飲むくらいなら、ほとんどの人にとってこのような症状は起こりません。とはいえ、後遺症などで漫然とロキソニンを飲むことは避けた方が良く、心あたりのある方は一度医師に相談しましょう。

 ロキソニンを長期間飲む必要がある場合には、胃酸の分泌を抑える薬を一緒に飲んで、胃潰瘍の予防をすることが一般的です。

カロナールの副作用とは?

 一方でカロナールは、副作用が全くない訳ではありませんが、上限として1日4000mgまで使用して良いとされています。この閾値を超えるには300mgの錠剤で言えば14錠に相当しますので、ここまで使用する人はほぼいないと思われますので、ある程度安心して良いでしょう。

 とはいえ閾値を超えてしまうと、カロナールは肝臓で代謝されるので、肝臓に負荷がかかり肝障害が生じるおそれがあるので、節度は持って使用してください。

 実は、これらの薬にはそもそも飲んではいけない人も存在します。ロキソニンについては、まず含まれる「アスピリン」という成分によって喘息が引き起こされる場合があります。

 この現象を「アスピリン喘息」と呼び、実は大人の喘息の5-10%の原因を占めるとされています。他にも、出産を目前に控えた妊婦さんも飲んではいけません。

 妊娠の終盤(20週以降)では、ロキソニンを内服すると赤ちゃんの心臓周りの血管に「動脈管早期閉鎖」と呼ばれる異常が出現してしまう可能性があるため、禁忌とされています。

 また、お子さんにとっても、一般的にロキソニンは処方されませんし、また子どものインフルエンザの時は、インフルエンザ脳症のリスクが上がるので使用してはいけない、とされています。

 一方でカロナールに関しては、アスピリン喘息を引き起こすことはかなり少ないとされていますし、妊婦やお子さんでも安心して使用できます。

 ロキソニンの方がやや痛み止めとしての作用は強いのですが、長いこと飲んだり大量に飲むと副作用を起こしたり、今紹介したように使えない人がいたりするので、カロナールをお出しした方が処方する側としては安心といえます。まとめると、下記のようなイメージです。

・効果に関してはロキソニンの方がやや期待できる。

・副作用はロキソニンの方が出やすく、胃や腎臓を傷つけることも。ただし短期間の使用で副作用が出ることは少く、長い間飲むなら胃薬を併用。カロナールはよほど大量に飲んでしまわない限りはほぼ気にしなくて良い

・ロキソニンは解熱薬で喘息が出る人、妊娠後半の妊婦さん、お子さんには非推奨。カロナールは飲んで症状が出てしまう人以外は使用して大丈夫

 新型コロナにり患した際は、現状軽症者には「対症薬」と呼ばれる薬しか選択肢になかったり、市販薬に頼らざるを得なかったりするため、こういった身近な薬の知識も身に着けておきましょう。