さらに、コロナ禍により外部の人を社内に入れるのも厳しい状態で、部署の協力を得るのはこれまで以上に難しくなっています。協力を得られていれば、複数の部署での受け入れが可能であり、プログラムは充実したものになっているはずです。言うまでもなく、そうしたアレンジには恐ろしく手間がかかります。それを少ない人数で手がけるとなると、リアルな業務を学生に体験させられなくなります。

 他部署の協力が得にくく人事部だけでプログラムを組むと、あたかも会社説明会のようになってしまうのは、状況に鑑みるといた仕方ないことかなとも思います。

インターンのエントリーシートに
書いてはいけないこと、書くべきこと

 インターンシップの目的は、確かに会社を知ることです。しかし、そこで間違ってはいけないのは、エントリーシートの志望動機に「御社に入社したい」という内容を書いてはならないということです。
  
 正確にいえば、就活生はその時点で公開されている既出情報はある程度知っているという前提に立ち、「その先をさらに知りたい」、だから「インターンシップに参加したい」ということを、エントリーシートに書かなければならないのです。企業はその時点で、インターンシッププログラム以外に、各種説明会の動画など、あらゆる材料をホームページで提供しているでしょう。

 エントリーシートに書くべきは、「御社についてここまで私は理解している。その先がわからないから、このような体験をさせてくれるインターンシップで知りたい」ということです。

 整理すると、(1)「何を体験させるものなのか」を知ってから参加すること、(2)自分自身が社員と接するだけでなく、できれば社員同士の会話や関係性をよく見ておくこと、(3)エントリーシートには「ここまではわかっているが、ここから先をインターンシップで体験して知りたい」と書くことが、インターンシップの受け方、エントリーの仕方の心得になります。

 最後に、25年卒の就活からインターンに関する制度が大幅に変わり、現行の形でのインターンシップは今年が最後になることを、知っておきましょう。来年以降のインターンシップの種類や実施方法については、稿を改めてお話したいと思います。

(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局長 福重敦士、構成/ライター 奥田由意)