とはいえ、インターンシップで体験する仕事はもちろん、本当の仕事ではありません。そこにはお金の受け渡しもありませんし、顧客や取引先と取引をすることもまずないでしょう。本当の仕事ではないことを理解したうえで、「本当の仕事ならどうだろうか」「ここにお金が絡むとしたらどうだろうか」「顧客や取引先がいたりしたらどうだろうか」と想像しながら参加するのとそうでないのとでは、得られる体験の質が格段に変わります。

担当者と直接話すだけでなく
社員同士の会話に注目すべきワケ

 インターンシップのもうひとつの意味は、会社の中に入ることで会社を知り、社風と合うかどうかを確かめるマッチングの機会であるということです。学校の部活の「体験入部」のようなものだと思えばわかりやすいでしょう。実際にその会社に行ってみて、雰囲気や空気を知るのです。

 その場合職場では、担当者がしゃべる内容よりも、その人と社内の別の誰かがしゃべっている様子を見ることも大切です。たとえば会社のトイレを借りたとき、たまたま廊下で会社の人同士が話しているとき、ちょっと打ち合わせをしたりする場面に出会うことがあれば、会社の空気がわかります。今はオンライン開催のインターンシップもあり、なかなか中の雰囲気がわかりづらいかもしれません。

 よく「空気を読め」といわれるときの空気とは、人と人の間にあるものです。会社の空気とは、究極的にはその会社の社員の人同士の間で醸し出されるものです。社員の人同士の会話や察せられる関係性の中にあなたが入っていけるかどうかが、その会社の空気があなたに合うかどうかを判断するポイントになります。

 採用活動は企業の重要な業務ですが、もちろん各部署はそれぞれ普段の自分の業務で忙しいため、よほど体制が整っている余裕のある会社でなければ、社内の各部署の協力を得て、実際の業務に近い形のプログラムを用意することは難しいものです。