ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものではないだろうか。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。この本はSNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
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ダラダラ「負け続けない」
会社内では、「パッとしない失敗キャラ」のイメージがつかないようコントロールすることも、大事なテクニックになる。
失敗を恐れすぎてはいけないが、失敗に鈍感になるのは企画者として致命的。
ずっと低空飛行のままでいれば、周囲はあなたを「薄くダラダラ失敗し続けているヤツ」とみなしてくる。
テレビ局で言えば、立ち上げた企画の視聴率がふるわず、なんとなく低空飛行のまま半年、1年と時間が経ってしまう状態だ。
そうなると、いい仕事は回ってこない。
いつ損切りするべきか?
薄くダラダラ失敗を続ける人は、「損切り」ができない人だ。
いつか逆転ホームランを打てるんじゃないかと期待しつつ、自発的に努力することもなく、ただ「待つ」という選択をしてしまう。
そうならないために必要なのが「期間」と「目標値(KPI)」の初期設定だ。
これが未達の場合は潔く企画を撤退させる「損切りマインド」も大事になる。
たとえば3カ月なり半年なり、「この期間にこの結果を出す」と決めるといい。
そして、そのための球をいくつか仕込んでおく。
撤退することも必要
それでも期間内にその球がひとつも爆発しなかったら、残念ながらその企画は「失敗」。
見込み違いだったと判断して、潔くプロジェクトから撤退しよう。
そうしたスピード感や思いきりを持つことで、「失敗し続ける人」にならずにすむ。
仕込む「球」は、逆転ホームラン狙いの大きなものでなくてかまわない。
このまま挑戦を続けていい、というハンコを一つもらえる根拠となれば、それだけでも十分だ。
完走と共に大切なもの
資金が潤沢な大企業であれば、数年単位で挑戦させてくれるかもしれないけれど、ほとんどの企業はそんな余裕なんてない。
フルマラソンの完走を目指す美学もわかるけど、全力疾走の100メートル走を何本こなせるかが、サラリーマンの使命でもある。
失敗時の去り際は、あっさりと。
せっかくのアイデアだからと、固執しすぎず次に行こう。
(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)
※本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています)