箱詰めされたトマトPhoto:Robert Alexander/gettyimages

農林水産省は2022年度から新規就農者の支援制度を拡張する。公的な支援の強化は新規就農者にとって恩恵だが、農業経営を途中で諦めると多額の負債を抱えることになりかねない。連載『農業 大予測』の#8では、新規就農者が新たに農業を始める際に、やるべき秘策や方向性について私の考えを述べる。(マイファーム代表取締役 西辻一真)

突然、化学肥料と農薬を禁じて混乱に陥った
スリランカの失敗を繰り返してはいけない

 新規就農者が農業を始める際に気を付けてほしいのが、栽培方法と販売の仕方だ。

 農法の中には自然農法、自然栽培、オーガニック栽培、慣行栽培などがあって、一般の野菜を作る手法を大きく分けると、この4つになる。

 科学の中できちんと検証されている農法はどれかというと、慣行栽培が主で、オーガニックに少し自然科学が入ってきたという段階だ。自然農法・自然栽培というのは、まだ十分なデータによって検証がされているわけではなく、ポリシーが優先だ。自然科学を優先するのか、ポリシー優先なのか、というところが世の中を二分している大きな要因だ。安全なのか、安心なのか、みたいな感じではあるが、データ検証は必要とするのか、しないのか。