株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、
「業種(テーマ)」を絞り込むことが先決
【前回】からの続き 私は、“超”がつくほどに分散投資をしています。前述の通り、保有銘柄数は800を超えており、そこから10倍株は66銘柄も誕生しました。といっても、やみくもに買い集めたわけではありません。
日本の株式市場に上場する3800あまりの銘柄から投資先を決めるためには、絞り込みが必要になります。将来の10倍株を見つけるためには、まず「業種(テーマ)」を絞り込むことが先決です。
来的に伸びそうな業種(テーマ)に絞って、今後の成長が望めそうにない業種(テーマ)は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった各種指標の割安感や利回りの高さ、値頃感などを考慮せず、思い切って投資対象から外します。
業界のトレンドがつかむ
東証の分類した業種には、以下の表のようなものがあります。業種には、「大分類」と「中分類」がありますが、通常は中分類を業種として扱います。
参考までに、それぞれの業種で時価総額が大きい代表的な2銘柄を紹介します。海運業、空運業、電気・ガス業などは、銘柄数が比較的少ないです。そのため、業種別株価指数(上場企業を業種ごとに分類して算出する株価指数)をネットでチェックすれば、その業界のトレンドと所属銘柄の株価が連動する傾向にあるので、業界のトレンドがつかみやすいです。
一方、情報・通信業やサービス業などには、多くの銘柄が分類されていますが、時価総額が大きな企業の株価に、業種平均の指数が連動する傾向があります。そのため、中小型株(銘柄)は指数への連動性があまりなく、各社サービスもバラエティに富んでいるため、業種平均の指数では業界のトレンドをつかみにくいです。
1銘柄が複数のテーマにまたがるケースも
そこで、業種よりさらに細分化した「テーマ」に焦点をあてて銘柄を探します。ただし、このテーマというのは少々厄介なもの。業種に関係なく散在していますし、1銘柄が複数のテーマにまたがることも往々にしてあります。
それぞれの銘柄は東証に上場する際、全33業種のいずれかに分類されますが、業界の先細りを見すえて業態転換する企業の場合、たとえば中分類は「鉱業」でも収益の主軸は、まったく別の業種の領域であることもザラにあります。
また、業種別株価指数と所属銘柄の株価が連動しやすいと前述した海運業も「内航・外航」「バラ積み船・コンテナ船」といった具合に、それぞれの企業の得意分野によってテーマが細かく分けられます。
ドンと上がって、一気に下がる株
投資家におなじみの「株探(かぶたん)」など、業種横断的にテーマ分類を一覧できる投資家向け株式情報サイトもありますが、テーマへの親和性の高さは結局、各社の決算をチェックして確かめるしかありません。
とくに半導体、電気自動車のようなテーマは、原材料から最終製品まで裾野が広く、関連する銘柄が、かなり多岐にわたります。そのため、専門用語などで、さらに細かくテーマを絞り込む必要があります。
テーマに注目して個別の銘柄に投資するといっても、一時的な特需によるテーマで注目された中小型株の場合は、まるで打ち上げ花火のように短期間に株価がドンと上がりますが、その後、一気に急落することが多いように思います。
「業績」のチェックが欠かせない
そのため、継続的な需要が見込め、息の長そうなテーマに注目するべきです。そうすれば、そのテーマに属する個別銘柄の業績も、利益を伸ばすフェーズに入れば成長トレンドに入る可能性が高く、結果として中長期的な株価の上昇が見込めます。
もちろん、テーマとしての成長が緩やかでも、独自の技術やサービスで業績を伸ばし、株価が上昇する銘柄もあります。逆に、テーマ全体は成長トレンドを描いているのに、その企業固有の原因で業績が落ちて、株価が下落する銘柄もあります。
そこで、定期的に銘柄ごとの「業績」のチェックが欠かせないわけです(業績の検討方法については、『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』のPART2で詳しくお伝えします)。
※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。