冷凍ギョーザ「2強」の熱い戦い、味の素を大阪王将が猛追冷凍ギョーザで王者・味の素を猛追するイートアンドホールディングス。9月末には第3工場も竣工した Photo by Koyo Yamamoto

冷凍ギョーザは「2強」がシェア約8割を占める。王者・味の素を猛追するのが、飲食チェーン「大阪王将」を展開するイートアンドホールディングスだ。値上げ時代の庶民の味方である冷凍食品。ギョーザ戦争の行方は。仲田浩康社長を直撃した。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

10年で3倍に拡大した冷凍ギョーザ市場
味の素と大阪王将で寡占し頭打ち?

――イートアンドホールディングスは「大阪王将」ブランドを展開し、外食と食品事業を手掛けます。食品事業を担うイートアンドフーズの売上高の内訳は。

 冷凍食品がほとんどで、ざっくりとスーパー向けが55%、生活協同組合向けが25%、外食向けなどの業務用が15%です。残り5%が、調味料などの常温商品です。

――冷凍と常温の商品のバランスやチャネル別の比率など、今後はどう変えていきますか。

 大きく変わることもないでしょうし、ちょうどいいバランスだと思っています。成長する余力のある市場でいえば、業務用市場でしょうか。業務用といっても、外食向けだけではなく、スーパーの総菜売り場向けなどもあります。

――スーパーなどの家庭用の冷凍ギョーザ市場は伸びる余地はなく、「頭打ち」ということですか。

 この約10年間で、冷凍ギョーザ市場は、200億円から600億円にまで拡大しました。

 かつてのスーパーの冷凍ギョーザ売り場には味の素の商品しかなく、何とかわれわれが2001年に参入しました。それでも2社体制が続いていました。

 味の素やわれわれもさまざまなフレーバーのギョーザを出し、(韓国勢などの)海外メーカーの参入も始まっています。品目数が増え、参入してくる会社も増えてくれば、(わが社にとって市場は)「頭打ちが来ている」証拠でしょう。

 ですが、「冷凍ギョーザ市場の成長は終わる」と(外部から)言われながらも、21年も市場は伸びています。ですから、まだ伸びる余地はあるのかもしれません。

――冷凍ギョーザのシェアが22年2月期は34.6%と、前期から1.8ポイント上昇しました。一方、王者の味の素は同3.7ポイント減の42.9%と、シェアの差が縮まっています。要因は何でしょうか。

 味の素の冷凍ギョーザもわれわれの商品も、「水なし油なし」で調理できる点は同じです。製法は違いますが、お互いにこれに関する特許を持っています。