リモート会議参加者の「姿が見えない」問題を一掃できる“5つの対策”とはPhoto:PIXTA

リモート会議が定着した今、会議参加者の姿が見えないことが問題になっている。表情が見えず、反応も得られず、双方向のコミュニケーションがめっきりできなくなったことに、気づき始めているリーダーは少なくない。実は、メンバーに負担を与えずに、簡単にカメラとマイクをオンにしたリモート会議を実現するためのコツがある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

全員カメラとマイクは「オン」にすれば
リモート会議参加者の「姿が見えない」問題は解消できる

 リモート会議が定着した今、会議参加者の姿が見えないことが問題になっている。カメラとマイクをオフにして会議をしているので、「表情が見えない」「関心のあるなしを判別できない」「賛否を把握しづらい」「懸念の有無がわからない」…これでは、リーダーとして、手の打ちようがないと思うのも無理はない。

 かくして、リモート会議のカメラとマイクの取り扱いをめぐり論争が起きている。在宅勤務が定着する中、リモート会議に参加する場合には、カメラをオフにする、マイクも話すとき以外はオフにするという決め事がある企業が少なくない。

 こうした状況下で、お互いに参加者の表情を見ながら話し合いたい、活発に双方向の意見交換をしたいと思うリーダーが、メンバーに対して、カメラとマイクを常時オンにして会議をしようと言っても、メンバーの抵抗に遭って実現できないというのだ。

 カメラとマイクを常時オンにできない理由を聞くと、以下のような5つの見解が返ってくる。

(1)全ての参加者がカメラオン、マイクオンにすると、ネットワーク回線が不安定になる
(2)特にオフィスから参加する場合には、機密情報が映ったり音声に入ったりする
(3)特に在宅で参加する場合には、プライバシー情報が映ったり音声に入ったりする
(4)雑音が入ったり、一度に複数の人が話し出したりして、進行しにくくなる
(5)身だしなみなどの準備が必要になる

 ネットワーク、機密情報、プライバシー、進行、準備の問題というように、どれも広範囲に影響を及ぼしかねないと思われている。また、リーダーといえども無理強いしてしまってはハラスメントの問題を引き起こしたりしかねないので、カメラとマイクを常時オンにしたくてもできないというのだ。

 その結果、相手の表情を捉えることができず、双方向のやりとりができぬまま時間が経過する。気づいたときには、意思疎通ができずに、お互いに理解が深まらず、対話もはずまず、関係性が希薄になってしまう。コミュニケーションとエンゲージメントのレベルが、いつのまにか、著しく低下してしまうのだ。

 しかし、こうした環境の変化に直面しても、カメラとマイクを全員常時オンにしてリモート会議を実施し、メンバーを巻き込むことができているリーダーがいる。こうしたリーダーが共通して発揮しているスキルがあるのだ。