不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
他人の意見を参考にするのは有益
誰かに意見を求めることって、ありますよね。たとえば、なにかを始めようとするとき、自分のやろうとしていることが、果たして正しい決断なのか、うまくいきそうなのか…そうしたことを第三者の客観的な視点から意見を聞きたいというケースです。
自分の方向性を固めていくために、そうやって他人の意見を参考にするんですね。他人の意見に従うわけではなく、そこから良いものを抽出して、自分なりの方向性を固めていくための参考にするわけです。
くり返しますが、けっして自分のやろうとしていることを、他人に決めてもらおうとするのではありません。いくら信頼のおける相手だとしても、最終的に決めるのは自分であるべき。仮にうまくいかなかったとしても、自分が決めたことなら納得がいきますが、他人が決めたことだと後悔してしまいがちだからです。
人の意見ではなく
自分の意見に合わせて生きていく
そもそも、相手が責任をとってくれるわけではありません。いちばん意見を聞くべき相手っていうのは、他人ではなく自分自身。それでも考えあぐねたり迷ったりしたときに、他人の意見を参考にして、自分の方向性を固めていくという順序です。
いくら他人が「メリットよりデメリットのほうが多いんじゃない?」「失敗するリスクが高い」「やめておいたほうがいいよ」などとアドバイスをしてくれたとしても、自分がやりたいと思うのであれば、仮にうまくいかなかったとしても、自分で決めたことなら不満や後悔はないはずなんです。
信用のおける相手というのは、自分のことを親身になって考えてくれることが多いです。だからこそ、相手のことを考えると、どうしても保守的なアドバイスになりがちなんです。これは当たり前のことであって、むしろ相手が信頼できる証拠ともいえます。
誰かのため、他人のために
生きるんじゃない
そのアドバイスをもらったうえで、「じゃあどうするか」はやっぱり自分が決めること。相手に意思決定してもらうということと履き違えてはいけないのです。
信頼できる人がどんなに反対だったとしても、あらためて自分自身に問いただしてみて、それでもやっぱりやりたいと思うのならば、チャレンジしてみるべき。反対しされた1つひとつの要素については、きちんと考えて失敗する可能性を潰していけばいいんです。
信頼できる人に意見を聞くのはかまいませんが、なにより意見を聞くべき相手っていうのは自分自身なんだということを忘れないでくださいね。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。