最も大切なのはフィードバック

 もちろん、そのように考えて、きちんと「補習」をしてくれる先生もいます。自分が生徒側だった時には、補習を受けるのは本当に嫌でしたが、このシステムは非常に理にかなっていると今では思えます。

 塾の生徒からは、「テストの点数が全体的に悪いと怒る先生がいる」という話もよく聞きます。これもまた、少し不可解なことです。

 ある生徒が勉強をせずに低い点を取ったならば、それは注意して然るべきでしょう。しかし、みんなが懸命に勉強をしたのに、平均点が悪かったとしたら、それはテストの問題が難しすぎたか、あるいは先生側の教え方が悪かったかということにはならないでしょうか。

 テストで最も大切なのは、点数の良しあしではなく、結果が出たあとのフィードバックなのではないでしょうか。

東大卒ママは心配する 学校の定期テスト「最も大切なテスト後のフィードバックが足りていない」杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつ病によりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』など多数。最新刊は『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』。静岡市で少人数制塾「杉山塾」(http://fancynancy.jp/sugiyamajuku/)を運営中。ツイッターのアカウントは@suginat

AERA dot.より転載