本書の要点

(1)本書は、勉強法の名著100冊に書かれている共通のノウハウを抽出し、ランキング化したものである。多くの著者が重要だと認める項目は、汎用性・一般性・再現性が高く、多くの人にとって有用だと考えられる。
(2)100冊の中で最も多く見られたのは、繰り返し復習することの重要性である。反復することで、脳はその情報を重要だと判断し、短期記憶から長期記憶へと移動する。
(3)2番目に多く見られたのは、目的と目標を明確にすること、3番目は効果的に休憩を取り入れることである。これらを意識することで、より効率的に学ぶことができる。

要約本文

◆100冊の勉強法の名著から見る学びのノウハウ
◇ノウハウの抽出

 本書は、勉強法の名著100冊を購入して精読し、そこに書かれている共通のノウハウを項目化したうえで、そのノウハウが掲載されていた本の冊数によってランキング付けを行ったものだ。

 複数の本に同じノウハウが書かれているということは、それだけ大事だということだ。より多くの本に共通しているノウハウのほうが、汎用性・一般性・再現性が高い、つまり、多くの人にとって真似しやすく、役に立ちやすいと考えられる。ここでは、すべての人に必要な基本ルールとなる、1位から8位の内容を紹介する。

【必読ポイント!】
◆すべてに共通する学びの基本
◇1位……繰り返し復習する

 1位は「繰り返し復習する」だ。100冊中51冊が「復習・反復の大切さ」について言及していた。

 記憶は、保持される時間の長さによって、「短期記憶」と「長期記憶」に分けられる。すべての情報は一度短期記憶として蓄積され、その中から「重要だ」と判断されたものだけが長期記憶になる。情報が短期記憶から長期記憶へと移動することを「固定化」と呼ぶ。そして、記憶の固定化に必要なのが、復習と反復であると多くの著者が述べている。

 51冊の中には「復習のタイミングと回数」が示されているものもある。それらに共通するのは以下の4つだ。