日常生活を障害物競走にする収納(3)
隠されたモノを手探り・目探り
リビング収納に詰め込まれた、たくさんの缶や箱。サポート依頼者さんと、「この箱にはボールペンが入っていますけど?」「そういえばそんなのもありましたね」。「こちらは何ですか?」「おみやげのキーホルダーだ。懐かしいな」などと、一つひとつ開けながら確認したこともあります。フタをしてしまうと、しまった本人ですら中身を忘れやすくなります。ムダな縦移動&横移動をなくした後、最後の最後に気をつけてほしいのが「見えなくする」トラップです。
●フタは外す
フタをするかしないかの線引きはシンプル。「今使っているモノにはフタをしない」「フタをするのは、使うけど今じゃないモノ」です。棚や引き出しに入れた文具や、回転の早い日用品のストック、子どもの1軍おもちゃのケースにフタは不要。すぐに外しましょう。「フタをすれば重ねて収納できる」と思う人は、そのメリットは「使うけど、今じゃないモノ」に活かしてください。子ども用品のお下がりなどにはとても向いています。
なお、「フタに見えないフタ」もあります。クローゼットを思い出してみてください。ロングコートやワンピースの下に、チェストが埋もれていませんか? それ、フタをしているのと同じですよ。チェストの上に掛けるのは、空のハンガーか丈の短いボトムスにしてみてください。視界が開けて、使いやすくなります。
●ケースは浅くする
大きい袋菓子に合わせて大きなケースに食品をまとめている家庭が多いのですが、これだと小さいモノは埋もれていきます。実際に、埋もれて腐っていたバナナ、カビの生えたパンを触ったことがある私は声を大にして伝えたい! 食品に限らず、使っていく前提のモノを入れるのは、死角のない浅いケースがおすすめです。
今回は、日常生活に潜む障害物競走のような片づけルーティンについて、その見直し方と具体的な改善策を解説しました。実はこれ以外にも、「洗濯動線がジグザグ・くねくねの家具配置」など、片づけを理不尽にしている「片づけのめんどくさい」はたくさんあります。『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』という本でより詳しく解説していますので、読んでみてください。