日本の自動車産業の“総本山”である自工会会長に豊田章男トヨタ自動車社長が再登板(12~14年に続く)したのが、18年5月のことだ。

 19年秋に開催した前回の東京モーターショーは豊田章男会長の音頭で“新生モーターショー”として企画され、異業種の参画やキッザニアと初コラボを実施するなど、「オープンフューチャー」をコンセプトに改革の第一歩を踏み出した。その結果130万人を集客し、衰退傾向にあった東京モーターショーを“復活”させた。

 21年に予定されていた第47回開催は、新型コロナウイルス感染拡大により中止となってしまったが、豊田章男自工会体制が異例の3期目(24年5月まで)に突入したことで、豊田章男体制の下で23年秋の「ジャパンモビリティショー」が実施されることが決まった。それゆえ、今回の発表のようなさらなるモーターショーの変革につながったのである。

 先述したように、今年5月の豊田章男会長3期目続投の会長会見で、「東京モーターショーは次回から日本の全産業を巻き込んだジャパンインダストリーショーとする」ことを、章男会長が自ら宣言した。

 その後、政府や経済界を巻き込んだ豊田章男流の「仲間づくり」を進めてきた。6月には岸田文雄首相が自動車産業の現場視察としてトヨタ本町工場を訪問したほか、6月には経団連に「モビリティ委員会」を新設し約200社が参画している。さらに11月には、政府とモビリティに関する懇談会を実施して、岸田総理から「自動車産業は経済・雇用の大黒柱であり、モビリティは新しい資本主義の中軸だ」と言わしめた。