オートサロンの盛況で
モーターショーに危機意識

 実はここでも筆者とはつながりがある。筆者は日刊自動車新聞社を退社後に佃モビリティ総研を立ち上げたが、2014年に東京オートサロンの主催実行委員会に要請されて実行委員を務めたのだ。

 元々、東京オートサロンは、前身が「エキサイティングカーショー」といういわゆる改造車のショーだったので、違法改造などの懸念から自動車メーカーはノータッチの時代が長く続いていた。しかし、「クルマ好き」が集まるイベントとして耳目を集め、10年前ごろから完成車メーカーも出展するようになった。そのきっかけは「モリゾウ」こと豊田章男氏が東京オートサロンに出かけて注目したことだったそうだ。

 その東京オートサロンは、2021年はコロナ禍でオンラインショーとして開催したが、今年はリアル開催で復活し、3日間で30万人以上の来場者を集めた。「若者のクルマ離れ」など、どこ吹く風といった盛況だ。

 18日のジャパンモビリティショー開催概要発表会でも長田委員長が「モーターショーの在り方としては、東京オートサロンの集客が上がっていることからも、来場者の思いやエンタメの面で、メーカーサイドの一方的な展開などを反省しなければ(いけない)」とあえて東京オートサロンとの比較を語っている。