三菱商事の賃金分布と給与表
または、そもそもの水準が高すぎて全員がもらいすぎの場合なら、成立する。大手出版社や大手商社がこれである。すでにリアルタイムでもらえている感覚が十分に社員側にあり、退職金までついてくる。
これはかなりビジネスモデルが秀逸でなければ成立が難しい。企業にとっては、戦力にならない人材も窓際に置いて高い給与を払い続けなければならず、重い人件費負担になるからだ。株主の立場としては、意味不明である。
たとえば三菱商事のバラツキは、40代前半で「M2」→「M1」に昇格するところまで、20年間、ほぼ差がつかない。
その後は、職務給との組合せで、重要ポストに就くと上がり、ポストから外れると下がるが、全員が1800万円以上なので誰も不満は持たないし、同じ給与をもらえる転職先も存在しない。
バラツキは小さく、ずっとPayNowで、おまけに退職金や中高年の高い賃金までついてくる。ただ、資源バブルのような運頼みの景気要因も大きいため、業績が悪化すれば水準も改訂されていく。