時間の経過を早く感じているのは
Z世代だけではない?

 この調査に関するネット上での反応を拾ってみると、いつの時代にも若者はそうではないのか?というものがあった。年を取れば取るほど、月日がたつスピード感覚が速くなっていくとは昔からよく言われる。

「あっという間に10年たっていた」「ちょっと前のことだと思ったら10年前だった」という感覚の中高年は少なくないだろう。若い頃は一年一年が長く感じられるから、短い年数でも「だいぶ昔」と感じてしまうということはありそうだ。また、若い頃の方が卒業、入学、入社などの環境の変化が大きいことも時間の感覚に影響を与えそうなところである。

 一方で、現代では「一昔」を10年より短いと捉えているのはZ世代だけとは限らないとも考えられる。

 現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分にも相当するとか、ここ10年で個人の受け取る情報量は530倍になったとか、とにかく現代は情報量が多いといわれる。脳内で情報処理をする量が年々増えているのだから、昔の「5年」「10年」とは感覚が違って当然なのかもしれない。

 検索してみたところ、2019年に「『十年一昔』は、今の感覚では何年?」(シニアガイド/2019年11月6日)という記事があった。

 こちらでは日本リサーチセンターが18〜79歳の男女1200人を対象にしたインターネット調査の結果があり、これによれば「『十年一昔』ということわざは、今だと『何年くらい』だと感じますか」という質問に、もっとも多かった回答は「5年」(32.6%)、ついで「3年」(18.8%)、「10年」(15.0%)だったという。

 昔の四字熟語と比べて「今だと何年くらい?」と聞かれると、反射的に「昔より短い」あるいは「昔より短いと答えることが求められていそうだ」と考える人もいそうだ。