長引くコロナ禍で、体を動かす機会がメッキリ減ってしまった人は多いはず。気がつけば、肩はゴリゴリ、背中はバキバキ、股関節はコチコチに……。
そこで参考にしたいのが、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)、『金スマ』(TBS系)、『体が硬い人のための柔軟講座』(NHK)などで話題のフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏の著書『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』(ダイヤモンド社)だ。
本書は、ちょっとした「スキマ時間」で、いつでも、どこでもできる“気持ちい~いストレッチ法”を、マンガでわかりやすく指南。「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも体がやわらかくなる秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、運動指導のトッププロが教える医学的にも正しいストレッチで、「体が硬い」を解消して、柔軟性をとり戻す方法を紹介する。
監修:田畑クリニック院長 田畑尚吾 医師 イラスト:百田ちな子
高齢者の転倒は
寝たきりの原因
『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』124ページからの「つまづきやすい70代女性」のパートでも取り上げますが、高齢になると転倒のリスクが高まります。転倒は骨折などの大ケガにつながりやすく、寝たきりの原因にもなり得ます。
実は、転倒は柔軟性の低下によって起こりやすくなります。いったい、どういう理屈なのでしょうか? まず、転倒しやすい人に共通するのは、歩くときにつま先が上がらず、つま先が下を向いていること。つま先が下を向いているので、わずかな段差にも足を引っかけて転倒しやすくなるのです。
転倒しやすくなる
2つの理由
つま先が下を向いてしまう理由は、大きく2つあります。1つはふくらはぎの筋肉に柔軟性がないこと。もう1つは、「脛骨(けいこつ)」(すね)の筋肉が弱まっていること。この2つが相まって、つま先が上がらなくなるのです。
そのため転倒予防には、ふくらはぎのストレッチをして柔軟性を上げるとともに、すねの筋力トレーニングをすることが有効です。ほかには、立った状態から片脚立ちになる、さらに片脚立ちから浮かせている脚を上に上げる、バランスボールに座るなど、意識的に体が不安定になる機会をつくるとよいです。
すると、体のバランスを司っている「小脳(しょうのう)」が活性化されます。
※本稿は、『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』より一部を抜粋・編集したものです。