開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から特別に一部を抜粋して「国語力アップのコツ」を紹介する。

子どもの国語力アップのために家庭でできる1つの方法Photo: Adobe Stock

「他人への理解力」が国語力アップのカギ

 中学受験で出題される国語の文章は、さまざまな文献から引かれます。それが古典であろうと現代物であろうと、そこには「世の中」があります。

 愛情に満ちたシーンもあれば、戦争、事故、病気……といったありとあらゆる世の中があるわけです。登場人物もいろいろです。

 しかし、そうした世の中についてなにも知らなければ、想像力も働かず、書いてあることが理解できません。たとえば、ひとりっ子で兄弟姉妹の喧嘩をした経験がないと、喧嘩の場面が書かれていたときに、その人物たちの気持ちがわかりません。

 国語がまったくできない子どもたちに多いのが、この「他人の気持ちがわからない」というケースです。性格的に冷淡だからわからないのではなく、経験がないからわからないのです。

ドラマや映画にたくさん触れて想像力を伸ばす

 ここは、テレビドラマを見るなどして世界を広げておくことが重要です。

 中学受験をする子どもたちは、勉強が忙しくてテレビを見る時間はあまりありませんから、低学年時に「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」を見たくらいで、そのまま受験に突入してしまうというケースもあります。

 でも、クレヨンしんちゃんとドラえもんで世界が止まっていたら、世の中を深く描いた小説が出されたときに、理解するのは難しいでしょう。

 世の中を知っていることは、中学受験に限らず、とても重要です。そして、その学びは、スモールステップを踏みながら段階的に行っていく必要があります。

 今は、ネットフリックスやアマゾンなどで、いつでも時間を選ばずに優れたドラマを見ることができますから、そうしたものも使って子どもの「世の中」を広げてあげましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)