開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
子どもの勉強には「ウォーミングアップ」が必要
大人たちの仕事でも、ウォーミングアップは大事です。まずは、ちょっとした書類整理やメール送信などを行ってから、メインの仕事に移る人は多いでしょう。
子どもの勉強も同じです。いきなり大変なことをやらせようとせず、小さなことから入ると自発的に動けるようになります。
子どもが勉強に入るときのウォーミングアップに最適なのが百ます計算などの簡単な計算です。百ます計算は、計算自体が難しいかどうかはともかく、「やり方」で悩むことはありません。
そうした単純な学習で頭を活性化してから、考える力が必要な勉強にシフトすると効率的です。
タイムを計測すれば、計算力アップを実感できる
百ます計算を行うときは、親が時間を計測してください。毎日続けているうちに、必要とする時間が短くなっていくはずです。それだけ、学力の土台がしっかりしてきているということです。
つまり、ウォーミングアップをしながら、基礎的な学力もアップするし、子どもは自分が伸びている実感を持てるので、いいことだらけです。
できれば、百ます計算では物足りなくなるまでやりましょう。そして、二百ます計算に移行しましょう。二百ます計算を一気にやりきれるかどうかが、ほかの子たちに差をつけられるかどうかの1つの指標となります。
VAMOSでも、ウォーミングアップにこうした計算をさせていますが、6年生の優秀な子どもたちは、八百ます計算を一気に終えてしまいます。
なお、低学年のうちは、ウォーミングアップとしてだけではなく、メインに百ます計算を用いてもいいでしょう。そのときも、親が時間を計測し、子どもが「昨日よりも早くできた」を感じ取れるようにしましょう。
もちろん、百ます計算でなく、漢字の練習や読書でウォーミングアップを行ってもかまいません。大事なのは、その子なりのウォーミングアップの方法を知っておくことです。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)