「11×11~19×19の暗算」ができれば
計算力は強くなる!

2020年度からの新しい学習指導要領によって、算数教育に、プログラミング的思考が導入されたり、「データの調べ方」についての内容が充実したりと、カリキュラムが時代に合わせて変化しています。

一方で、小学生の学習において「読み・書き・計算」が根本的に重要だという点では、今後も変わらないのではないでしょうか。

「計算」においては、四則計算はもちろん、分数、小数の計算など小学算数で習う基礎をきっちり身につけておかないと、中学校に入学した後、数学でついていけなくなるおそれもあります。その意味でも「算数の基礎である計算力」を小学生のうちに鍛えておく必要があります。

計算力を伸ばすためのひとつの手段が「暗算」です。九九が暗算の代表格ですが、あわせて、本記事の冒頭で紹介した「11×11~19×19の暗算(おみやげ算)」の習得をおすすめします。

中学受験をするしないにかかわらず、「11×11~19×19の暗算」ができることによって、計算力は強くなります。おみやげ算をマスターすることで、計算に自信をもつきっかけにもなります。

一方で、2ケタ×1ケタ(1ケタ×2ケタ)の暗算は、分配法則を使って計算することをおすすめします。

分配法則とは、次のような計算のきまりです。
【1】(〇+□)×△=〇×△+□×△ ←△をどちらにもかけてたす
[例1] (70+4)×8=70×8+4×8=560+32=592

【2】△×(〇+□) =△×〇+△×□ ←△をどちらにもかけてたす
[例2] 6×(30+7) =6×30+6×7=180+42=222

例えば、74×8(2ケタ×1ケタ)なら「74×8=(70+4)×8」と式を変形することで、上の[例1]のように、計算できます。
また例えば、6×37(1ケタ×2ケタ)なら「6×37=6×(30+7)」と変形することで、[例2]のように答えを導けます。

慣れればパパっと暗算することも可能です。算数、数学でよく出てくる計算なので、小学生くらいから、この方法で暗算できるようになっておくと後々スムーズです。

おみやげ算と分配法則による暗算をマスターすれば、日本の小学生の計算力はぐんと上がるはずです。新刊『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』を手にとって、まずは、おみやげ算を習得するのはいかがでしょうか(新刊にはおみやげ算をマスターする方法が主で、分配法則はコラムに載せています)。