エネルギー価格が高騰する昨今、原油も例外ではない。特集『総予測2023』の本稿では、国内石油元売り2位の出光興産の木藤俊一社長CEO(最高経営責任者)に激動のエネルギー業界を生き抜く術を尋ねた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
通期で過去最高益予想だが
カーボンニュートラル実現へ気を引き締める
――2023年3月期は、原油価格上昇と円安進行に伴う原油の在庫評価益が寄与し、過去最高益となる見通しです。
ご指摘のように外部要因によるところが非常に大きい。気を引き締めて将来のカーボンニュートラル社会の実現に向けて事業構造の変化に取り組んでいきます。
――ガソリン代の激変緩和措置が23年度下期から撤廃される見込みです。
激変緩和措置は政府のインフレ対策の一環で22年1月にスタートしました。われわれは小売価格を決められず卸価格に反映することしかできません。かなりのシステム投資などが必要になりました。
結果としてその後にロシアによるウクライナ侵攻が起き、有事の対応になりました。もし激変緩和措置がなければ、ガソリン価格が1リットルで200円超に跳ね上がりかねませんでした。
――それで、撤廃後の需要についてはどうなりますか。