【お寺の掲示板114】仏さまのまなざしで日々の暮らしを考える写真左:浄泉寺(大分)投稿者:@hiro5936[2022年7月2日] 写真右:長稱寺(宮城) 撮影者:BAR@BAR70040383[2022年7月3日]

シンプルなひと言の含意

 お寺との良いご縁を見つけるためのサイト「お寺の窓口」による「お寺の窓口賞」には、大分県宇佐市にある浄土真宗本願寺派浄泉寺の作品「命の重さ 平和」が選ばれました。非常にシンプルな作品です。講評は以下の通りです。

この掲示板を見た際、命の尊さを感じました。人間は命がある限り、今生きている一瞬一瞬を大切にしてほしいと思い選びました。仏教徒として戦争がない平和な世の中になることを願います。

 2022年はウクライナへのロシア侵攻の影響もあり、反戦の作品が非常に多かったように思えました。皆さんもご存じだと思いますが、仏教では反戦が強く説かれています。お釈迦さまの『法句経』にある以下の言葉をしっかり覚えておきましょう。

 己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。

 怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。

 仏事のお困り事など、さまざまな情報を、僧侶や専門家が楽しく教えてくれて「こころのよりどころ」となるサイト「ここより」。「ここより賞」受賞作品は、仙台市若林区にある真宗大谷派長稱寺の「今日だけですよ」です。

「今日だけですよ」というと、緩い感じの許しをイメージする方が多いと思いますが、仏教的に見ると、「諸行無常」の意味合いとして受け取ることができます。「ここより」による講評は以下の通りです。

おそらく「過去も未来も頭の中にしかない」という考え方を表した掲示だと思うのですが、短い文の中から「許し」のニュアンスを感じとることもでき、素晴らしく思いました。飲み屋にツケを頼んだときの「今日だけですよ」のような。

 当たり前のように明日があると思ってしまいますが、決してそうではありません。いままではあったから、これからも当然あるわけではないのです。今日だけですよ。この言葉をしっかり心に刻んでおきましょう。