中学受験の本番が近づいてきました。中学受験生に向けて正しいノートの作り方を解説した話題の書籍『中学受験必勝ノート術』の著者で、2000人を指導してきたカリスマ家庭教師の安浪京子先生に、この時期の中学受験生にとって大事なことを伺いました。
本命の前に受ける「前受け校」は必要か?
東京の中学受験は多くが2月です。その前に、多くの子が埼玉や千葉などの学校や地方の学校の東京受験などの1月受験(いわゆる前受け)をします。
前受け校をどう考えるかは、その学校しか受からなかった場合に、進学するつもりがある学校なのかどうか、によります。もし、受かった場合、実際に進学するつもりがある学校なのであれば、志望校の一つとなりますから、しっかり取り組んでください。親としてはここで合格が取れれば、2月の第一志望は気持が少しラクになりますが、くれぐれも、「絶対に受からないとダメ」などと言ってプレッシャーをかけないように。受かっても、受からなくても、2月の第一志望に気持ちのピークを持ってこられるように導いてあげましょう。
受かっても進学するつもりのない学校である場合、そもそも受ける必要があるのか、という質問を時々受けます。それに対しては、やはり、本番の練習という意味で受けることをおすすめしますが、その場合、どういう学校を前受け校とすればよいでしょうか?
進学しない場合、前受け校は、「模試」としての意味合いが強くなりますので、「得点を開示してくれる学校」を選びましょう。なぜなら、子どものいう手ごたえ通り点数が取れているかの確認ができるからです。もし手ごたえと実際の点数に乖離があれば、どこで点数を落としたのかなどの原因を探ってください。
また、前受け校の受験は、「場慣れ」にもなります。本番の試験会場の雰囲気は独特です。その雰囲気の中で子どもはどのくらい緊張するのか。緊張すると、どんなことが起きるのか? そういったことをひと通り経験しておくだけでも、二回目以降に受ける学校はずいぶん、不安がなくなると思います。
本番の雰囲気での緊張状態を経験するのが目的なので、お子さんには決して「これは模試がわりだから」とか「場慣れするために」などとは言わないようにするのが、鉄則です。