水平・垂直リサーチで
新たな企業の魅力に気づく

 業界研究、企業研究でもうひとつお薦めなのが「水平リサーチ」と「垂直リサーチ」の組み合わせだ(下図参照)。

 まず、興味ある業界・業種で水平的に候補企業を探す。具体的には「興味ある業界・業種名+展示会」で検索。大規模な展示会などがヒットするので、その概要やレポートで出展企業をざっと見る。そして、その中から気になる企業をピックアップする。

 次に、ピックアップした企業についてビジネスを垂直的に分析してみる。それは「もうけの仕組み」を分析することだ。具体的には、その企業がどこから原材料や部品を仕入れ、それを製品やサービスに加工して、どんな顧客に販売するのかを考える。

 同時に原価率、利益率、キャッシュフローなどを分析する。それが分かって初めて、その業界や企業の全貌が見えてくる。

 そして興味を持ったら、その会社の川上(仕入れ先)と川下(販売先)の企業も就活の候補に加えてみるというやり方だ。

オンラインでの
OB・OG
訪問も盛況

 業界・企業研究でこれまでも推奨されてきたのがOB・OG訪問である。気になる企業で働くゼミ、部活、サークルの先輩にアプローチするものだ。仕事の現場のリアルな情報は、就活で自分の軸をつくるとともに将来のキャリアを考えるヒントにもなる。

 コロナ禍では、直接会いにいくことが難しくなったため、学生はOB・OG訪問をあまり行わなくなった。しかし、今はオンライン形式でのプログラムを用意する企業や大学が増えている。

 筑波大学の同窓会である茗渓会では、在学生と卒業生がオンラインで質疑応答を行う「OB・OG キャリアカフェ」という大規模なイベントを、3年前から定期的に開催している。同窓会の理事である採用コンサルタント・アナリストの谷出正直氏は「毎年多くの申し込みがあり、学生たちの注目度は上がっている」と語る。