業界や企業の絞り込み方
まずは「直観」で数社を選ぶ

 次に、就活候補となる業界や企業を絞り込んでいく。どう絞り込めばいいか分からない場合は直感で数社を選び、詳しい企業情報をHPなどで細かく調べる。

 その際意識したいのは、その企業が掲げる企業理念やパーパス(存在意義)と、事業内容、実績がどうつながっているか。言っていることとやっていることがつながっているかが、ポイントだ。

 ビジネスモデルの独自性、業績の安定性、世界に通用する技術力など、他社との違いや強みもチェックしてみてほしい。

 多くの学生は年収や福利厚生、研修制度などに目が向きがちだと思うが、はっきり言って会社選びの基準はそこではない。

 いくつかの企業を細かく調べてみたら、その後またインターンシップやOB・OG訪問を通じて業界や企業の候補を広げよう。

 こうした「拡散」と「集約」を何回か繰り返していると、自然に自分なりの興味や適性が見えてくる。それが就活における自分の「軸」をつくるということに他ならない。「軸」をつくることが「自分らしい就活」につながる。実際、就活生が入社を決めた理由として例年最も多いのは「仕事の魅力」や「社風」だが、これは多くの仕事や企業を比較検討し、自分の軸=判断基準を持っているからこそできる(下図参照)。

 誰にでも共通して会社選びの決め手となる「仕事の魅力」や「社風」を判断するすべはない。それを忘れないようにしたい。