「運命の赤い糸」「赤の他人」「紅一点」同じ色が多くの意味を持つ深い理由「運命の赤い糸」「赤の他人」「紅一点」どれも赤色なのに違う意味を持つ深いワケとは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

私たちの周りにある色には、始まりとされる由来があります。色の始まりについて深掘りすると、必然的なものもある代わりに、色の意外な事実も眠っています。たとえば「運命の赤い糸」が「赤」である理由や口紅が赤くなったのには、必然的な理由があります。「赤の他人」が「赤い」理由は、面白いものですし、「紅一点」の「紅」など、時代とともに意味が変化しているものも。ポーポー・ポロダクションの『決定版 色彩心理図鑑』(日本文芸社)から抜粋し紹介します。

「運命の赤い糸」が赤い理由
赤は幸せを呼ぶ尊い色

●運命の赤い糸の逸話

「運命の人とは赤い糸で結ばれている」日本人の97%が知っている(2020年/ポーポー・ポロダクション調べ 164人)この話は昔の中国で書かれた類書(資料を集めてまとめた本)の逸話のひとつです。

 宿場町である老人に出会った青年は、結ばれる相手とは「赤い縄で足と足が結ばれている」といわれます。青年と赤い縄が結ばれているのは、この宿場町にいる貧しく醜い幼女だと老人はいいます。怒った青年は幼女を殺すように命じ、殺害には失敗しますが幼女の額に傷をつけました。

 そして数年後、青年は上司の娘を紹介され結婚をすることになったのですが、その娘の額には、あのときの傷がついていたという話です。