中国でのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開する株式会社InfoDeliver。同社の日本の顧客社数は すでに120社を超え、業界最大手だ。同社は本業のBPOビジネスの他に、新事業として富裕層家庭向けマーケティング支援事業を立ち上げている。このビジネスにどのようなうま味があるのか。前回に引き続き、伊藤嘉邦・InfoDeliver取締役副社長に話を聞いた。
幼稚園という「場」を利用して
富裕層ファミリーにリーチする
――BPOサービス以外に、御社では中国人富裕層向けのマーケティング支援サービスを提供しているそうですね。
中国人富裕層の集まる「場」へのリーチ力を利用して、日系企業の商品・サービスの中国でのマーケティングを支援しています。
例えば、幼稚園もそういった「場」の1つです。弊社では、北は黒龍江省から南は広東省まで、中国沿岸地域で裕福な子どもが通う5000箇所以上の高級な幼稚園をカバーするネットワークを持っています。1つの幼稚園には200人位の園児がいますので、幼稚園児のいる富裕層ファミリー約100万世帯にリーチできることになります。
幼稚園以外でも、高級車のディーラーとかゴルフ練習場なども富裕層にリーチできるチャネルです。これまで総経理クラスしかプレーしなかったゴルフが、最近は部長クラスも始めるようになっている中国では、ゴルフ人口がどんどん増えています。
今は逆風が吹いていますが、訪日中国人に対する旅行保険の販売支援もしています。これをきっかけにして医療保険とか介護保険とかの販売につないでいきたいと考えています。
中国市場では、モノよりサービスに日本の優位性があると思います。モノの品質レベルは中国も追い付いてくると思いますが、「おもてなしのサービス」に関しては当分の間、日本の優位性は揺るがないはずです。