医療費のイメージ写真Photo:PIXTA

高齢の親が病気などで入院したときにお金がいくらかかるのか、心配な人は多いだろう。頼りがいのある子どもになるために知っておくべきことはたった一つ、「実際にいくら必要なのか」だ。費用を抑えてくれる非常にありがたい制度があるので、一覧表を使いながら詳しく解説したい。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

今年よく聞かれた質問は
「親が入院したらいくらかかる?」

 今年は、同世代(50代)の身内や友人から「親の病気、介護」で「ちょっと教えて」と言われることが実に多かった。どこの親も病気や介護が必要になる年齢となり、たまに会うとその話題で持ちきりとなる。

 私は医療・介護関係者ではないので、「相談」というほどがっつりしたものではなく「最初の一歩は何をするといい?」という程度の質問だ。夫の両親と22年間同居し、この2年間で介護も看護も経験したことを知っている身内や友人たちは、「聞けば何か教えてくれるはず」と考えるのだろう。

 私に聞くのは大正解。「ちょっと」どころか、全体像を示した上で、最初にすべきことをアドバイスできるからだ。親は徐々に老いていくのだが、異変はある日突然起こることが多い。

 読者のみなさんには、今年最も質問を受けた「親が入院したときの医療費」について、「これだけは知っておきたいこと」と「すぐにやるべきこと」をお伝えしよう。

 特に男性は必読。耳学問とはよく言ったもので、女性は女性同士のおしゃべりの中で未経験のことを知る機会が多い。よその家で起きた病気の話を聞いているので、「その言葉は聞いたことがある」と理解が早い。

 対して、男性は「親の介護、病気」ネタを男性同士の会話で話題にする人は少ないため、耳学問はゼロに近い。自分や配偶者の親に「異変」が起こったとき、そもそも妻とはスタート地点が違っている。この記事を読んで遅れを取り戻し、妻にとってデキる夫、親にとっては頼れる息子を目指してほしい。

 もちろん、女性にとっても参考になる情報は盛りだくさんなので、男女問わずぜひ読み進めていただきたい。

「知るべきこと」と「すぐにやるべきこと」は、それぞれ一つずつある。まず、「知るべきこと」から見ていく。