パーテーションで区切られた、都心のオフィス。私語もなく、しーんと静まり返った様子は一見、仕事に熱中しているようだが、よく耳を澄ますとそうではないことがわかる。
時折漏れてくる誰かの溜息。叩きつけるように電話を切る音。やたらカタカタと響くキーボードの音にも、どことなく鬱憤が感じられる。なにより、職場全体に漂っている重苦しいムードは、社員たちの不満がそうとう募っていることを示している。どんな不満なのか、ちょっと心の中を覗いてみよう。

「あなたは即戦力ですから、とか言っちゃって。結局、仕事はこっちに丸投げじゃない。誰も助けてくれないし、もう体力の限界!」(中途採用さん)
「自分の仕事で手一杯なのに、新人の尻拭いまでできないよ。あいつら、どうせすぐ辞めるんだろ」(中間管理職氏)
タコツボの中の
憂鬱な人々
彼らの心に渦巻くのは不信感、あきらめ、そして不安。このままでは、うつ休職者が続出しても不思議ではない。

みんなが孤立した職場では、お互いを認め合ったり支えあったりできない。このため、冒頭のような「不機嫌モード」が職場を支配し、社員のメンタルヘルスが悪化していく。
「組織にはそれぞれ感情があります。組織全体が明るくて元気があれば、社員ひとりひとりも溌剌と仕事ができる。逆になんとなく暗く、ギスギスした職場だと、働く人も鬱屈してくる。組織感情と個人の感情は連鎖するものなのです」
あなたの職場の
「組織感情」をチェック!
組織には感情がある。そしてその感情は、今の企業社会ではふとしたはずみにどんどん悪化しかねない。さて、あなたの会社の組織感情はどのような状態にあるだろう。そして、これからどうなっていく可能性が高いだろうか。