我究を繰り返し行って
自信に満ちた姿に変わる
1984年生まれ。千葉大学教育学部卒業後、毎日コムネット入社。2012年、青年海外協力隊としてケニア共和国へ。児童福祉施設における情操教育やカウンセリングに携わる。2016年よりジャパンビジネスラボに参画。我究館コーチとして学生を支援し、2021年5月より現職。著書に『絶対内定』シリーズほか。 Photo by Masato Kato
我究は、我究図を一度描いて終わり、というものではありません。
(1)~(4)を自分で読み返してみて、他の人に見てもらって、違和感がなくなるまで何度でも繰り返してください。
面接のゴールは、相手を納得させることです。我究を繰り返すことで、エピソードとそこから得た教訓を上手にひも付け、説得力を持って自分とは何者かを説明できるようになります。
私は「この人は化けた!」と、受講生の突然の変容ぶりに驚かされたことが何度もあります。これは、主に(4)と(5)のフェーズで起こるのですが、勇気と覚悟を持って本気で未来に向かっていく、それまでと全く異なる自信にあふれた姿に圧倒されるのです。
こうした受講生に共通するのは、決まって納得いくまで我究を繰り返していることであり、単に就活テクニックを身に付けたというわけではありません。
特に(2)と(3)は、自分のコアを追究する上でとても重要な項目ですが、ここを見直す際は、自分の幼少期を知る親や保護者の協力を得るのがよいでしょう(下記の図3参照)。
「どんな思いで子育てをしていたのか」「小さい頃はどんな子どもだったか」を親子で話してみることは、就活に限らず、さまざまな人生の節目できっと役立ちます。
一方、親の姿勢として、子どもの話を受け入れない、頭ごなしに否定するなどは禁物です。
我究を進める上で大事なのは、自己防衛せず他の人に自分のことを本音で話せる心の状態、他人の指摘を素直に聞ける姿勢です。
「良くも悪くも自分じゃないか」と思えるかどうか。強過ぎる理想の自分像に支配されている間は、今の自分との乖離を自覚するまでが少々厄介です。
もし、親の希望や世間体という「他人軸」で就職先を選んでいるなら、自分がこうしたいという「自分軸」への転換を図りましょう。
就活を機に我究する方法を身に付けた人は、その後のキャリアにおいても、状況に応じて「3つの切り口」を実現するプロセスを見直しています。
人生の岐路で、意思決定に我究の手法をどう生かしていくか。3月17日公開予定の記事では、現役の我究館受講生と、すでに職に就き、具体的なキャリア形成のために我究を継続している卒業生の描いた我究図を紹介します。