次にRJCが11月9日の最終選考会で、第32回(23年次)RJCカーオブザイヤーに両車を選び、「日本の交通事情にマッチした軽自動車規格のボディサイズに、日常使用で十分以上の走行距離、滑らかな加速やきびきびとしたハンドリング、上質な内外装、最新の安全装備を備え、実用EVとして高い完成度を誇る。同時に幅広いユーザーに手の届く車両価格も実現し、EVの普及促進に弾みをつけるモデル」として評価した。

 さらに、COTYが12月8日に第43回2022−2023日本カー・オブ・ザ・イヤーに両車を選出。「日本独自の軽自動車規格を適用し、現実的な車両価格でバッテリーEVを所有するハードルを下げ、日本でのバッテリーEV普及の可能性を高めた」「高齢者を含め多くの人の移動の自由を担保するだけでなく、社会的課題と解決への可能性を示した」「走行性能についてもハンドリングと動力性能が従来の軽自動車を凌駕(りょうが)している」「安全性能も360度セーフティアシスト(全方位運転支援システム)を搭載し、高級車並みの運転支援機能を装備している」といった点が評価された。

 かくして、サクラ/ekクロスEVは、世界でEVに出遅れているといわれる日本市場の4割を占める軽自動車カテゴリーにおいて、満を持して投入された“本格バッテリーEV”ということで、高く評価されたのである。

 それにしても、この1年で国産・輸入車の新車が数多く投入された中で、軽自動車でしかもEVの両車が「今年のクルマの顔」をなぜ独占できたのか。その理由に加えて、日産・三菱自連合の象徴ともいうべき共同開発合弁会社から生まれた軽EVであるという意味から、今後の方向も占うことができそうだ。